導入事例

天馬株式会社様

TCOの削減、ITに対する社員の意識改革、 経営分析のスピード化を実現!

天馬株式会社様
経営管理部システム企画課
課長
本田 智裕 氏

『6拠点のサーバーをPower System(AS/400)一台に集約!』

システム保守の終了を期に、経営基盤を強化するために、会社システム全体の再構築に着手。 3年に及ぶ大規模なシステム開発により、6拠点に分散していたサーバをPower Systems(AS/400) 1台に統合した。 優れた安定性とパフォーマンスを手に入れるとともに、TCOの削減、ITに対する社員の意識改革、 経営分析のスピード化を実現した。

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背景

それまでは富士通Kシリーズを6台使用していたが、システム保守の終了を期に会社システム全体を一から見直すことにした。 また、新システムは経営基盤の強化や、世界市場への進出など新たな事業展開にも柔軟に対応できる必要があった。

システム導入にあたって、グランドデザインを作成し、複数社に提案を依頼した。 その結果、予算はオーバーするものの、提案内容があるべき姿にもっとも近かった、IBM-SOLPACの提案を採用した。

プロジェクトは、会社システム全体を見直すため、3年に及ぶ大プロジェクトとなった。 「システムのあるべき姿を検討して採用したのはよかったのですが、今までに経験のしたことない、大変なプロジェクトでしたね」

システム構成図

富士通Kシリーズ6台からIBM Power Systems(AS/400) 1台へ移行した。 経理から生産までの社内システム全てを1台でまかなうため、iSeriesSiteをベースに約3000を超える機能の開発を行った。

効果

効果1:各拠点に6台あったオフコンを1台に集約し、TCOを削減

今までは、6拠点にオフコンを置いた分散型システム構成だった。 しかし、今回のシステム導入により、1台のサーバの集約型に移行したため、サーバの保守費用の軽減に加え、 負担の大きい人件費のコストを減らすことができた。 「システム要員もハードもプログラムソースも、拠点ごとに置く必要があった為、 プログラムの世代(バージョン)管理がうまく出来ていませんでしたね。 でも、システムを1拠点に集中させることで、6拠点に分散していた人材の活人化を図れたと思います」

また、旧システムでは工場ごとに新たなプログラムを作っていたので、システム要員の力量が影響し、 工場間におけるシステムに格差が生じていた。 そのため、各工場のシステム改善を個別に対応するだけで、システム部門の仕事は膨れ上がっていた。 しかし、1台のサーバへ集約することで、世代(バージョン)管理の必要もなくなり、システム管理コストの大幅な低減が図れた。

効果2:システムの安定性を実現。新規システムのみに注力できる

旧システムは「手組みで作っていた」ので、追加システムが膨大にあった。 結果、追加システムと基幹システム間でデータに矛盾が起こり、システム障害が多発していた。 しかし、今回のシステム導入により、システム障害の問題が大幅に改善され、すぐれたシステム安定性を手に入れた。 現在では、6人という少人数でもシステムをまわすことができている。

「以前は、ユーザーからの障害対応の依頼がかなり多かったんですよ。 でも最近ではイージーミスやシステム障害の類は、ほとんどなくなりました。 このシステムのおかげで、新規案件や内部統制対策に専念できるようになったのは、非常に良くなった点です」

効果3:膨大な帳票の集約に成功

天馬株式会社
経営管理部
システム企画課
課長 本田 智裕 氏

旧システムは手組みで作っていたため、部署ごとにわずかに異なる帳票が膨大にあったが、 そのような帳票も整理され、無駄な帳票が大幅に削減できた。
また、データ解析ソフトである【Data Nature】を導入することで、システム側からは基礎データのみを提供し、 部署ごとに【Data Nature】を使って、分析をするような仕組みを作った。新規の帳票も作成することを止め、 【Data Nature】で対応する形をとり、システムの対応が大幅に軽減された。
ただし、このソフトを使いこなすには相応の知識が必要だったため、SOLPACの担当者が講習会を開くことで対応した。
「ユーザー側の教育が欠かせなかったので、担当者の方に何度も足を運んでいただきました。おかげで何とか使えるようになりましたね」

効果4:会社全体でシステムに対する意識改革

システムの改善、講習会などを通して、システム部門以外の社員にも変化が見られた。 それまでは「システムは自分たちのものではない」「私たちが主導的に動く立場ではない」という考えが多かったが、 導入後はシステム部門でない社員もシステムに対して積極的にかかわり、主体的に取り組む姿勢が見られた。 システムの導入が、ITに対する社員全体の意識改革につながったのである。

今後は、社員一人ひとりが【Data Nature】を使いこなし、より直観的に欲しいデータを加工できるようになることが課題だと言う。 そのようなデータを加工できれば、経営に生かしていくことが可能となる。

効果5:経営判断のための情報がすぐに入手でき、好きなように加工できる

新システムに移行したことで、【Data Nature】もしくはクエリを使えば、好きな時にデータを取得・加工できるようになった。 経営分析チームはシステム部門を介さずに、直接、自分たちの欲しい経営判断の為の様々なデータを手に入れられるのは、 「非常に影響が大きかった。」

考え方の変化によって、欲しい経営分析データは様々に変化した。 今まではその要望に合わせて、帳票の作り直しやシステムの修正が必要で、非常に負担が大きかった。 しかし、今回、柔軟に対応できるシステムにしたことで、システム部門の対応が必要なくなったうえに、 さまざまな視点からの経営分析が可能になった。
「今まではあちこちのファイルからデータを持ってこないとできなかった分析が、データを直接取ってきて加工できるようになり、 非常に楽になりましたね」

ほかにも、受注情報の最適化と自動割付、仕掛品Tフロー自動作成機能導入による経理業務の工数削減など、 様々な新機能が効果をあげている。

お客様情報

会社名 天馬株式会社様(東証一部上場)
年商 425億円
業種 プラスチック製品製造販売

会社概要

天馬はプラスチック加工の大手で、収納ケースなどの家庭日用品や自動車部品などの工業向け製品を生産、販売している。 また、国内だけでなく、海外にも積極的に進出し、売上は全体の6割を誇る。現在、国内の6ヶ所、海外の6ヶ所の生産拠点を抱えている。