導入事例

【looksoftware】薩摩酒造株式会社様


榎本宏文 氏
管理部
情報処理システム課長 兼 業務課長


上窪直志 氏
管理部
情報処理システム課 係長

『顧客満足向上』『スピードアップ』
支援ツールとして活用へ


device:iPad中心に検討中
tool:lookserver
vendor:アイテップ株式会社様

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本記事はi Magazine2013年5月号に掲載されたものです。(c)i Magazine2013

IBM i更改のたびに新たなシステム化

「さつま白波」で日本の焼酎ブームを作り出し(1970年代)、その後も「神の河」「黒白波」「さくら白波」などのヒット銘柄で焼酎 メーカーの上位を走り続ける薩摩酒造が、ソルパックのlookserver(開発元:looksoftware Inc)を導入し営業活動の改革に乗り 出している。
同社は、1980年のシステム/34導入以来、ほぼ4 ~ 5年おきにIBMミッドレンジ機を入れ替え、この大型連休にもPower 720(IBM i 7.1)へ移行したばかりの30年来のIBMユーザーである。マシン更改のたびに新しいシステム化に取り組み、1997年にはノーツ統 合、2002年に5250画面のWeb化ツール「Host-On-Demando」を導入し、2007年に初代BIツールとしてコグノスの「PowerPlay」 とAS/400データーベース照会ツール「WebFOCUS」を導入しWeb化をさらに推進、2012年に2代目BIツール「QlikView」を導 入するという展開を図ってきた。
システム/34時代からシステムを担当してきた管理部情報処理システム課の榎本宏文課長は、「経営層や業務部門から要望が 上がってきてからシステム化の検討を始めるのでは、タイミングを逸する怖れがあります。経営・業務の課題を念頭におきながら 世の中の流れの先を読み、システム化に挑戦してきました」と語る。 そうした考え方を持つ同社がPower 720の導入に合わせて取り組むのが、スマートデバイス活用によるモバイルシステムである。
「 消費者がプロシューマ化し、流通が小売主導へと変化して取引のIT化が進む中、営業には取引先とより多く接し販売機会を増や すことが強く求められています。それを可能にするのは、営業が出先で必要な情報を得られること。戦略ツールとしてのスマートデバ イスが自ずから浮上してきました」(榎本氏)

lookserverとNotes Travelerを採用

その榎本氏の思いと重なるように、営業部門ではこの4月からコンサルティング会社を導入しトップダウンによる改革が始まる。 システム担当の榎本氏にも「営業戦略立案」の修得が求められているという。「従来は数字(売上)中心で、営業活動の質をあまり重視しないマネジメントだったのを、目標-計画-検証を徹底し、営業の質と効率を向上させる狙いです。モバイルシステムの導入は、この営業改革の方向と重なるもので、目標-計画-検証を支援する役割を担わせる計画です」と榎本氏は説明する。
業務システムをスマートデバイスに載るツールとして採用したのは、lookserverとノーツのメール/スケジュールをiPhone・iPadで見るための連携ツール「Lotus NotesTraveler」である。lookserverは、IBM iアプリケーションをリアルタイムで自動変換し、PCやスマートデバイスに表示できるツール。アプリケーションに手を加える必要のないのが大きな特徴で、パートナーのアイテップ(株)からlookserverのデモや開発手順の説明を受けた管理部情報処理システム課の上窪直志係長は、「これくらい簡単なら自分たちでも活用していける」と感じたという。
また榎本氏は、「5250画面がほぼそのままiPadに変換されるので100%互換性があるように感じました」と感想を述べる。
今年7月のサービスイン時には、ノーツのメール/スケジュールのほか、受注商品の出荷/配送状況を確認できるようにする予定だ。従来は、取引先から営業担当者へ問い合わせがあると、営業担当者が本社・業務部へ連絡を入れ、業務部から配送業者へ確認を取って営業担当者に報告するやり方をしていたが、スピーディな回答ができなかった。それを今後は、営業担当者が問い合わせを受けた段階でスマートデバイスで確認し回答できるように切り替える。「お客様へのサービス向上と情報伝達のスピードア ップが狙いです」と榎本氏は語る。
取材した4月末時点では、営業担当者が携行するスマートデバイスをどれにするか確定していなかった。
「iPadを中心に検討していますが、表示項目を絞ればiPhoneへの展開もあり得ると思います。画面サイズの調節はlookserverが自動でやってくれるので、営業先での利用形態と使い勝手を考慮して両方を使うか、1つに絞るか、決めたいと考えています」(榎本氏)

新たな展開を拓く下準備が整った

今後については、営業担当者向けの在庫確認機能と製造現場での利用を構想中という。
「製造過程の状況を今は紙に書いて事務所に戻って入力していますが、スマートデバイスのタッチパネル機能を使い現場での入力を考えています。コミュニケーションのスピードを上げ、営業を含め各部門で先手の対応が打てるようにします」という。
この6月17日には、高い人気を誇る麦焼酎「神の河」をさらに飲みやすくした、若年層と女性がターゲットの「神の河Light」が発売 される。焼酎市場は、人口の拡大と嗜好の多様化によってかつてない激戦時代。スマートデバイスを駆使する新しい営業によって、同社の新たな展開を拓くことが期待されている。榎本氏は、「質の高い、攻めの営業を行う下準備が整いました」と語る。

お客様情報

会社名 薩摩酒造株式会社様
本社 鹿児島県枕崎市
設立 1936(昭和11)年
資本金 2億1735万円
売上高 174億円(2012年6月)
従業員数 260名
事業内容 「 さつま白波」「黒白波」「神の河」などの各種酒類の製造販売・輸出入など
URL http://www.satsuma.co.jp/