導入事例

  • パーキンエルマージャパン様導入事例
  • 株式会社パーキンエルマージャパン様

在庫精度の低さと業務拡張による三重入力の煩わしさを解消すべく、既存システムと相性の良いiSeriesSiteを導入。 顧客コードをひとつにまとめ情報を一元化したことにより、在庫管理の精度が飛躍的に向上。 業務効率も向上し、様々な角度からの情報分析が可能となった。

導入の背景

パーキンエルマーの改革への取り組み
パーキンエルマーでは、現在、本格的に改革を推し進めている。今回のBPO(Business Process Outsourcing)への取り組みは、その改革の1つとして、サービス部門を改善するために行われた。 サービスの改革の役目を担ってカスタマーサービス部に登用された平田部長が陣頭指揮をとり、プロジェクトが進んだ。外部の組織から登用され、社内の慣習を知らない平田部長から見れば、サービス部門には改革すべき課題が多くあった。課題に対する解決策として、外部からの圧力を効果的に使うBPOへの取り組みが有効と考えられた。

BPOの導入にあたって 規模の小さな組織のBPOへの懸念

過去の経験上、人員移動が数十人~数百人の大きい規模のBPOの方が効果を出しやすく、成功の可能性が高いという感覚があった。標準化・効率化・小さな改善も、人数が多ければ、積み重なり、目に見える大きな結果となって出てくる。また、規模が大きいと、個性や能力を考慮する必要性が薄れることも影響している。 しかし、小さな規模においては、個性・人間関係・モチベーションなどの感情的な部分まで考慮する必要があり、「失敗する可能性が高くないか?本当に効果が出るのか?」という考えもあった。
また、移行が失敗したときの会社に及ぼす影響の大きさを考えると、リスクも大きいため、パーキンエルマーとして、BPOに取り組むべきかどうかは大きな決断が必要だった。

BPOの導入にあたって 最後までやり抜く姿勢を評価

一般的にBPOは両社がリスクを持ちながらやるもので、そのプロジェクトに臨む姿勢や、それをやり抜く意思が重要だと考えていた。 やり抜く意思がないBPO受託会社も多い。例えば、初期の段階でBPO成功の可能性を判断して逃げ出す場合や、コンサルティングだけに力をかけて現場の改善が実行ができない場合である。そんな中で、ソルパックからの提案書は、小規模のため成果が出にくいBPOであり、リスクが大きいにも関わらず、「最後までやりきるという姿勢」がしっかりと示されていた。

BPOの成果 数値的な成果とコア業務への専念

BPOの成果として、保守契約の更新については、去年とは異なり、驚くほどの数値的な効果が見られた。外資企業であり四半期ごとの財務の厳しいレビューが必要な中で、経営的に見ても保守契約の更新が滞りなく進んだことは大きなメリットであった。
また、社員がコア業務に専念できる体制ができたこと、社外からの刺激により業務の標準化・改善が進み業務レベルが向上したことが、BPOへ取り組んだメリットと感じている。
プロジェクト以前は、派遣人材入れ替え時の従業員の教育やミスなどをカバーするために、社員の労力が裂かれ、コアな業務に専念できていなかった。業務のすみ分けが進み、社員が与えられたよりレベルの高いコア業務に専念することで、社員に対してより高いキャリアディベロップメントの機会を提供することが可能になった。

BPO成功の秘訣 早い段階からBPOの導入を決めていた

今回のプロジェクトでは、BPOをするべきかという議論はせずに、早い段階から経営陣(リーダーシップチーム)でBPO導入を決定していた。これがコンサルティングの期間を短くした要因の1つであり、コンサルティングの初期の段階から、具体的な実行策に対する取り組みができたため、余分な労力を減らすことが可能になり、プロジェクト成功への大きな足がかりとなった。
具体的には、プロジェクト開始直後である10月のコンサルティングの段階から、ソルパックから派遣されている人材がいた。これにより、パーキンエルマー社内におけるソルパックの認知度を高めることに一役を買った。そして、その人材がBPO導入後も残り、人材の移動が最小限に抑えられたことが、プロジェクト成功につながった。

BPO成功の秘訣 期待値を上げすぎない

成功の秘訣の1つとして、BPOへの期待値を上げすぎないことが重用だと考えている。最初は、60~70点からスタートする。そして、マンスリーMTGで相互の問題点を解決しながら徐々に100点に引き上げていくことが重要である。そして、100点以上の部分は、ソルパックの努力にかかっていると考えている。
また、コンサルティング期間が3ヶ月と短いものだったことも、今回のポイントだったと考えている。半年、1年とコンサルティング期間を長くすれば、その分期待値も高くなる。ただ、実業務にはどんなに調査しようと予測外の業務は多くある。そのため、コンサルティング期間が長くなると、自ずと高くなった期待に添えなくなり、不満足な点が出てくるが、コンサルティング期間が3ヶ月だったことで、結果的に期待値の上げすぎを防いだ。

BPO成功の秘訣 早い段階からの関連部門の協力

今回のプロジェクトでは、コンサルティング段階のレビューから、リーダーシップチームに関連部門の参加があった。そのため、サービス部門がどのような課題に取り組んでいて、それに対応する関連部門の課題が何であるかも理解してもらえたため、協力を得ることが容易だった。
例えば、リーダーシップチームには、IT部門のマネージャも参加しており、BPOの効率を上げるためのITシステムの改善にもIT部門や業務部門の協力が得られた。

BPOへの取り組み 懸念していた細かい業務へも柔軟に対応

BPOの際に懸念していた事項は、コンサルティング段階では、規定しきれない後から分かった細かい業務への対応が可能かどうかという点だった。
BPOは、業務単位で依頼を発注するため、規定されていない業務への対応は難しいのではないかと考えていた。社員であれば頼める業務もBPOへ移行すると、頼みづらくなりうまくいかないのではないかと考えていた。
しかし、実際の運用段階では、日々の業務、スポットで出てくる業務の調整は、BPOリーダーと調整し、また、業務の大枠の調整は、月1回のMTGにおいて実施しているため、BPO移行後も相互理解で柔軟な業務への対応ができる体制が取れている。

BPOへの取り組み 業務プロセスの改善にITを活かす

SAPの基幹システム以外にも、サービス部門で独自にAccessを用いたシステムを構築していたが、運用上使いにくいという問題があった。これは社内リソースだけでは対応しきれない問題であった。
単なるAccessを用いたシステムの修正であれば、他のIT企業への依頼も可能であったが、業務プロセスを改善していくにあたり、ソルパックとシステムの課題を話し合いながら作りこみまで行うことができた。それにより、BPOのプロセスの改善に即したシステムの修正が可能になり、業務の効率化に貢献した。
現在は更なる効率化のために、Accessシステムの改善点をまとめ、次のステップでの修正を予定している。

BPOの成果 人材リソースの問題を改善

プロジェクト以前は、派遣社員の定着率が良くなかった。
定着率が悪ければ、全体のスキルも上がらないし、リソースのボリュームも増えない。3ヶ月かけて育てても、辞められると、また人を集めなければならず、新規で教育しなおすと、1~2ヶ月はかかってしまう。これが続くと、何をしているのかわからない。
不安定な人材リソースの大きな問題点は、特に人を教育する部分の負担であった。派遣であるため、人を集める点に関しては、大きな労力はなかったが、派遣社員の教育については、社員のメイン業務以外に対応する必要が出てくるため、人材のリソースが安定しないと社員のメイン業務に影響が出てくるほどであった。教育のコストは見えにくいコストであるが、非常に大きなコストであった。
BPOの導入にあたり、業務プロセスの標準化が行われたことが人材の定着率にも大きく貢献していると考えられる。業務プロセスを明確化し、各人材の業務をシンプルにし、人材の適正な配置が行われたことが効果的だった。

プロジェクト以前は、1つ1つの業務はシンプルだが業務が複雑に絡むことで、ハイパフォーマンスな人材にしか取り組めない業務になっており、派遣の人材に大きな負担があった。プロセスの改善は、簡単な話し合いだけでは、解決できない状況になっており、プロジェクトを通して、真の課題の共通認識が進み、プロセスの改善を実現した。プロセスを明確化することで、シンプルな業務になり、人材の定着率に貢献した。
BPOの導入において、業務量の調査を基に、ソルパックの客観的な評価による人材の配置が行われたことが良かったと考えている。たとえば、具体的にはパーツオーダーデスクを2人でやっていたが、現在は1人で対応している。規模が大きくないため、劇的に人数が減少したわけではないが、業務量の平準化、各人材が担当する業務の複雑化の解消に貢献した。

BPOの成果 現場から上がる改善のアイディア

今回のBPOの導入において大きなメリットだと感じているポイントの1つとして、現場から改善のアイディアが出されていることが挙げられる。
一般的な人材派遣では、派遣社員は業務範囲内で仕事をし、言われた事をその通りやるだけなので、業務の効率化に対する意識はなかった。しかし、BPOに変わり、各人材の業務改善に対する意識が高まり、各人材から業務に対する改善点が出てくるようになった。派遣社員に比べ、BPOの人材の方が業務改善に対するモチベーションが上がった。
これは、派遣社員の評価には業務の改善は含まれないが、BPOでは業務の改善を評価指標に含めマンスリーレポートにしているためだと考えられる。BPOでは、業務の改善をコミットしていること、それに対してマンスリーレポートを含め、体制、仕組みを作っているため、業務改善に対するモチベーションを維持、向上できる。

BPOの成果 保守契約の更新

プロジェクト以前は荒井サブリーダーが保守契約の更新業務を担っていた。しかし、保守契約の更新の手続きに抜けが多かった。
この保守契約の更新業務は、本来ならば荒井サブリーダーのメインの業務ではなかったが、人材リソースが安定しないという問題の影響により、荒井サブリーダーへ業務が集中し、対応しきれない状態になっていた。
保守契約が3月末に切れる場合は、4月末までに契約更新を行っていただきたいが、5、6月以降に更新が遅れることがあった。また、代理店を含め、お客様に契約更新をプッシュしていく体制ができていなかった。

現在では、プロセスの標準化を行うことで、保守の更新をルーチンワークとしてソルパックが行い、法務面、お客さまごとの書類の取り交わしなどについては、荒井サブリーダーのサポートを受けながら進めることで、更新業務がうまく進んでいる。
新規の保守契約に関しては、別途保守契約専任の営業マンを増員したが、その営業チームとBPOチームの連携が実現している。新規の見積もりの対応などを含め、新規保守契約モニタリングが可能になり、売り上げの向上に寄与している。

BPOの今後の取り組み 将来への取り組み

BPOの運用段階でも、更なる業務の改善を目指し、活動を続けている。細かな日常業務の業務プロセス、ITの改善から、大きな枠組みの改善にも取り組んでいる。
例えば、将来的には、バックアップの体制を整え、現状のスタッフが離れたとしても、フォローできる体制を構築していくことを目指している。また、お互いのワークロードを減らすための業務の受発注の依頼の方式の簡略化、BPOリーダーが他部門とのコミュニケーション力を強化することなども今後、取り組みが必要な項目として挙げられている。

お客様情報

会社名 株式会社パーキンエルマージャパン
設立 1978年3月7日
資本金 2億5,000万円
従業員数 150名(2009年9月現在)
事業内容 分析機器・バイオ関連機器および試薬の輸入販売・サポート
会社概要 パーキンエルマーは環境、化学、医薬、半導体など幅広い分野で活躍するパイオニアであり、 ライフサイエンス分野における最先端ソリューションを発信、事業展開しているグローバルリーディングカンパニーである。
おもな取扱製品
  • 原子吸光分析装置、ICP発光分光分析装置、ICP質量分析装置、無機分析用前処理装置
  • GC, GC/MS, GCサンプル用前処理装置
  • 各種熱分析装置(DSC, TGA, DMAなど)
  • 有機微量元素分析装置
  • FT-IR(NIR), ラマン分光分析装置
  • 紫外可視分光光度計、蛍光(燐光)分光光度計
  • プレートリーダー&プレートイメージャー
  • セルイメージング解析システム
  • 自動液体分注システム
  • RI測定関連機器(プレートカウンター、ガンマカウンター、液体シンチレーションカウンターなど)
  • スクリーニングアッセイ試薬、分子生物学関連試薬、RI測定機器関連試薬
  • 新生児スクリーニング関連機器、試薬