商品を探す

5.3 アイテムマスタ登録 -マスタ-

SAP Business Oneで販売管理(6章参照)、購買管理(7章参照)、生産(13章参照)などのモジュールで使用する全てのアイテムは、『アイテムマスタ』画面で定義します。

『アイテムマスタ』画面を開くには、メインメニューの「在庫→アイテムマスタ」をクリックします。『アイテムマスタ』画面を開くと、初期状態で検索モードになっていますので、新規定義を行う場合はメニューバーの「データ→追加」をクリックして追加モードに切り替えます。

「アイテム番号」項目に一意になるコードを、「テキスト」項目にアイテムの名称を入力します。『アイテムグループ』画面で定義したアイテムグループ(5.2参照)を「アイテムグループ」項目で選択します。

 「在庫アイテム」「販売アイテム」「購買アイテム」項目を選択しているかどうかによって、定義したアイテムの扱いが決まります。初期状態で3つの項目は選択済みになっています。「在庫アイテム」項目の選択を外すと、アイテムは在庫が計上されず、在庫管理を行いません。「販売アイテム」項目の選択を外すと、そのアイテムは販売を行うことができず、販売管理モジュール(6章参照)で使用できません。同じように、「購買アイテム」項目の選択を外すと、購買管理モジュール(7章参照)で使用できません。

(1) 一般タブ

『一般』タブでは、アイテムの製造元や追加の識別コード、出荷方法などを入力します。また、アイテムをシリアル番号管理またはロット管理するかどうか(8.7、8.8参照)、生産部品の出庫方法設定(13章参照)などは、ここで行います。そのほか、「有効」および「保留」項目によって登録したアイテムの有効期間を設定することができます。

(2) 購買データタブ

『購買データ』タブでは、主に購買管理モジュール(7章参照)に関わる設定を行います。ここで、購買単位や梱包単位、アイテムの大きさや重量、主な仕入先(4章参照)などの情報を入力します。また、購買時にかかる消費税率を税コード (3.3参照)を選択することによって設定することができます。

(3) 販売データタブ

『販売データ』タブでは、主に販売管理モジュール(6章参照)に関わる設定を行います。ここで、販売単位や梱包単位、アイテムの大きさや重量などの情報を入力します。また、販売時にかかる消費税率を税コード (3.3参照)を選択することによって設定することができます。

(4) 在庫データタブ

『在庫データ』タブではアイテムの保管先倉庫の設定を行います。アイテムはここで選択された倉庫に在庫として保存することができます。アイテムに倉庫を設定する場合、「倉庫コード」項目にカーソルを置き、Tabキーを押して倉庫一覧から選択します。選択する倉庫は事前に定義しておく必要があります(5.1参照)。設定した倉庫が複数ある場合、その内ひとつの倉庫をデフォルトに設定し、販売伝票(6章参照)、購買伝票(7章参照)入力時に、初期値として表示させることができます。

SAP Business Oneでは、仕訳伝票入力(3.4参照)以外にも販売伝票入力 (6章参照)、購買伝票入力(7章参照)、在庫処理(11章参照)などを行った場合に自動的に仕訳がおこります。その自動仕訳がおこる際の勘定科目の参照先は、『アイテムマスタ』/『在庫データ』タブの「勘定コード設定単位」項目の選択によって決まります。

 「倉庫」を選択した場合は『倉庫-定義』画面/『会計』タブ(5.1参照)、「アイテムグループ」を選択した場合は『アイテムグループ-定義』画面/『会計』タブ(5.2参照)の設定が自動仕訳で参照されます。また、「アイテムレベル」を選択すると、アイテムマスタ単位に勘定科目設定を行うことができます。

『アイテムマスタ』/『在庫データ』タブの「最小在庫レベル」及び「最大在庫レベル」によって、各アイテムの最小在庫、最大在庫を設定することができます。また倉庫が複数ある場合、「倉庫別在庫管理」項目を選択することにより、倉庫ごとに最小在庫、最大在庫を設定することができます。

アイテムマスタでは、アイテムの管理に使用する在庫評価方法を指定することができます。在庫評価方法には移動平均原価、先入先出、標準原価の3つがあります。在庫評価方法の初期値は『会社情報』画面/『初期設定』タブから定義します。『会社情報』画面で定義した在庫評価方法はアイテムグループ(5.2参照)の初期値になります。さらに、新規にアイテムを追加する際の初期値はアイテムグループに設定された在庫評価方法になります。『会社情報』画面を開くには、メインメニューの「管理→システム設定→会社情報」をクリックします。

■ 移動平均の場合

移動平均原価とは、異なる価格で商品が入庫された場合、商品の合計金額を在庫数量で割ることによって、在庫価格を算出する方法です。

■ 先入先出の場合

先入先出では、入庫が古いものから順に出庫されたとみなして原価が計算されます。

■ 標準原価の場合

標準原価方式では、簿価をあらかじめアイテムマスタに標準原価として設定しておきます。標準原価とは異なる価格で入庫があった場合、その差額は入庫時に受入価格差異という費用として計上されます。

(5) 計画データタブ

『計画データ』タブでは、MRPモジュール(14章参照)を使用する場合の設定を行います。この画面の「計画方法」項目でMRPを選択しているアイテムだけが、MRPモジュールの対象データになります。詳細については、影響のあるMRPモジュールの章で後述します。

(6) プロパティタブ

アイテムには、最大64種類のプロパティを定義することができます。プロパティを使用して、レポートなどで複数のアイテムを一括して選択することができます。アイテムプロパティの名称は、『アイテムプロパティ-定義』画面で定義します。『アイテムプロパティ-定義』画面を開くには、メインメニューの「管理→定義→在庫→アイテムプロパティ」をクリックします。

(7) 注釈タブ

『注釈』タブでは、アイテムの詳細説明や画像を追加することができます。

SAP Business One保守サポート・サービス