SAP Business Oneの販売管理では、8種類の伝票(販売見積、受注、出荷/納入、返品、売掛請求書、売掛クレジットメモ、売掛請求書+支払、売掛予約請求書)が入力できます。これら8種類の伝票のうち、出荷/納入、返品、売掛請求書、売掛クレジットメモ、売掛請求書+支払、売掛予約請求書は、会計上の取引が発生します。そのためSAP Business Oneでは、この6種類の伝票を入力すると、システムが自動的に仕訳伝票(3.4 (3)参照)を作成します。各伝票の入力時に作成される仕訳は以下の通りです。
各勘定の勘定科目コードは、「勘定コード設定単位」(5.3 (4)参照)が倉庫の場合は『倉庫-定義』画面/『会計』タブに設定された勘定科目コード、アイテムグループの場合は『アイテムグループ-定義』画面/『会計』タブに設定された勘定科目コード、アイテムレベルの場合は『アイテムマスタ』/『在庫データ』タブに直接入力された勘定科目コードになります。なお、売掛前受金請依頼、売掛前受金請求書については、10章で後述します、
SAP Business Oneの販売管理では、販売見積~受注~出荷/納入~売掛請求書の順で伝票を入力します。しかし、必ずしも販売見積伝票から登録する必要はなく、受注や出荷/納入伝票からの入力もできます。また、売掛請求書から入力することも可能です。売掛請求書から入力した場合、出荷/納入伝票を入力した際におこるべき自動仕訳が、売掛請求書を入力したときに同時におこります。
また、販売伝票を入力する場合、先行する処理で作成した販売伝票を参照することができます。例えば、見積を行った後に受注契約が取れた場合、既に入力した販売見積伝票を参照して、同じ内容の受注伝票を作成することができます。先行の販売伝票を参照して作成された伝票は、リンクをたどって参照元の伝票を照会することができます。
SAP Business Oneでは、販売管理モジュールと在庫モジュールが連動しているため、例えば受注伝票を入力すると、アイテムの在庫が引き当てられ、出荷/納入伝票を入力すると、在庫が自動的に減少します。また出荷/納入に対して、返品伝票を入力すると、在庫が自動的に増加します。アイテムの在庫は4種類のステータスを持っており、各販売伝票を入力することによって、ステータスが変化します。各ステータスの意味は以下の通りです。
SAP Business Oneの販売伝票画面は、それぞれの伝票で多少の違いはありますが、ほぼ同じレイアウトです。販売伝票はヘッダ情報領域、明細情報領域、フッタ情報領域で構成されてます。ヘッダ情報領域には「得意先」や「転記日付」、明細情報領域には「アイテムコード」や「数量」、フッタ情報領域には「注釈」などを入力します。また、フッタ情報領域には、明細を入力した結果の合計金額が表示されます。
販売伝票画面には、『明細』タブ以外にも『ロジスティクス』タブと、『会計』タブがあります。『ロジスティクス』タブでは「出荷先」や「請求先」などの情報を、『会計』タブでは「支払条件」などの情報を入力します。