SAP Business Oneでは、在庫アイテムのシリアル番号管理を行うことができます。シリアル番号管理を行うかどうかは『アイテムマスタ』画面/『一般』タブでアイテムごとに決定します。シリアル番号管理を行うアイテムの場合、出荷/納入 (6.4参照)、購買入庫 (7.3参照)、入庫 (11.2参照)、出庫 (11.3参照)など在庫の移動に関わる伝票を入力する場合にシリアル番号を指定するようになります。
なお、『アイテムマスタ』画面のシリアル番号管理に関わる設定は、『基本情報』画面/『在庫』タブ/『アイテム』タブに設定されている値がアイテム登録時の初期値になります。
『アイテムマスタ』画面を開くには、メインメニューの「在庫→アイテムマスタ」をクリックします。『基本情報』画面を開くには、メインメニューの「管理→システム設定→基本情報」をクリックします。
アイテムのシリアル番号管理の管理方法は「すべての取引」、「リリース時のみ」から選択することができます。「すべての取引」を選択した場合は、入庫、出庫に関わる全ての伝票を入力するときにシリアル番号を入力、選択する必要があります。これに対し「リリース時のみ」を選択した場合は、入庫時のシリアル番号入力は必須ではありません。
(1) S/N管理を行ったアイテムの取引 管理方法 – すべての取引 - トランザクション -
「管理方法」項目で「すべての取引」を選択したアイテムは、購買入庫伝票(7.3参照)を入力するときに必ずシリアル番号を入力する必要があります。通常通りに購買入庫伝票を入力、追加すると『S/N-設定』画面が自動的に開きますので、シリアル番号の入力を行います。
『S/N-設定』画面では、入庫アイテム一つにつき一つのシリアル番号の入力を行います。この際、一つずつ手入力でシリアル番号を入力することもできますが、「自動登録」ボタンにより『自動S/N登録』画面を開き、シリアル番号入力規則を設定して、一括でシリアル番号を付番することができます。
なお、シリアル番号には「メーカーS/N」、「S/N」、「ロット」があります。「メーカーS/N」は製造元のシリアル番号であり、「S/N」は社内で使用するシリアル番号です。また、ここでいう「ロット」はアイテム一つにつき付番される補助情報的な番号であり、後述するロット管理のロットとは異なります。
「管理方法」項目で「すべての取引」を選択したアイテムは、出荷/納入伝票(6.4参照)を入力するときに必ずシリアル番号を選択する必要があります。通常通りに出荷/納入伝票を入力、追加すると『S/N選択』画面が自動的に開きますので、ここでシリアル番号が付番されたアイテムの選択を行います。
『S/N選択』画面では、入庫時にシリアル番号が付番されたアイテムを選択します。シリアル番号は初期状態では「S/N」が表示されていますが、『書式設定』 (3.4 (2)参照)で「メーカー番号」、「ロット」を表示することもできます。『書式設定』を開くには、メニューバーの「ツール→書式設定」を選択します。
(2) S/N管理を行ったアイテムの取引 管理方法 – リリース時のみ - トランザクション -
「管理方法」項目で「リリース時のみ」を選択したアイテムは、購買入庫伝票(7.3参照)を入力するときに特にシリアル番号を入力する必要はありません。通常通りに購買入庫伝票を入力、追加することができます。
「管理方法」項目で「リリース時のみ」を選択したアイテムは、出荷/納入伝票(6.4参照)を入力するときに必ずシリアル番号を選択する必要があります。ただし、入庫時にシリアル番号を付番していない場合、アイテムはシステムが自動採番する「システム番号」によって管理されます。『S/N選択』画面ではシリアル番号項目が空白で表示されます。
(3) S/N取引レポート
シリアル番号を付番したアイテムは、『S/N取引レポート』によって詳細な取引内容を参照することができます。『S/N取引レポート』では、各アイテムがどの伝票によって入庫、出庫したか、メーカーの保証期間、保管されている倉庫内のロケーションなどを参照することができます。これらの情報は、購買入庫伝票の追加時、もしくは『S/N管理』画面からあらかじめ入力しておきます。また『S/N取引レポート』で参照できる「ステータス」によって、該当のアイテムが利用可能かどうか判断できます。
『S/N取引レポート』画面を開くには、メインメニューの「在庫→在庫レポート→S/N取引レポート」をクリックします。