SAP Business Oneには、販売伝票(6章参照)や購買伝票(7章参照)を、追加したユーザやその上司だけしか参照、変更などができないようにするためのデータ所有権限機能があります。データ所有権限機能を使用するためには、『従業員マスタ』画面(16.1参照)であらかじめ従業員を定義し、従業員に対して『ユーザ-定義』画面(2.5参照)で定義したユーザを割り当てます。そして、伝票入力時に「オーナー」項目で定義した従業員を選択して追加します。各ユーザ(従業員)が、どのユーザが入力した伝票を参照、変更できるかは、『従業員マスタ』画面で定義した所属や上司および『データ所有権限』画面の設定によります。
『データ所有権限』画面では各従業員に対して、伝票ごとに他の従業員との関係に応じて「全権限」、「読込のみ」、「権限なし」の設定を行います。従業員同士の関係については、「同等」、「マネージャ」、「部下」、「部門」、「支店」、「チーム」の6種類があります。各関係は以下の通り、『従業員マスタ』画面の定義によって決まります。
『データ所有権限』画面を開くには、メインメニューの「管理→システム設定→ユーザ権限→データ所有権限」をクリックします。『従業員マスタ』画面を開くには、メインメニューの「人事管理→従業員マスタ」をクリックします。
データ所有権限機能を有効にするためには、『データ所有権例外』画面の「所有権フィルタリングを許可」項目を選択しておく必要があります。『データ所有権例外』画面を開くには、メインメニューの「管理→システム設定→ユーザ権限→データ所有権例外」をクリックします。
伝票入力時に、「オーナー」項目で定義してある従業員を選択します。ログインしたユーザが『従業員マスタ』に設定されている場合、伝票画面で「得意先/仕入先」項目で取引先を選択すると、「オーナー」項目に自動的に従業員が入力されます。
『データ所有権限』画面の「部下」項目で全権限を持つように設定されている場合、自分の部下が入力した伝票に対しては参照、変更が自由にできます。
また、『データ所有権限』画面の「マネージャ」項目で権限を持たないように設定されている場合、自分の上司が入力した伝票に対しては、参照、変更することができません。