SAP Business Oneでは、販売伝票(6章参照)、購買伝票(7章参照)の消費税額は、税コード(3.3参照)によって計算されます。小数点以下の端数が発生した場合、四捨五入、切り上げ、切り捨てのいずれかの方法によって端数処理がされます。端数処理方法の設定は、取引先マスタ(4章参照)ごとに行います。
(1) 消費税端数処理の初期設定 - 設定 - - マスタ -
消費税端数処理の初期設定は、『伝票設定』画面/『一般』タブで行います。ここで端数処理方法の初期値を「四捨五入」、「切上げ」、「切り捨て」から選択します。『伝票設定』画面の設定は、取引先マスタの初期値となりますので、取引先マスタごとに端数処理方法を設定する場合は、『取引先マスタ』画面/『会計』タブ/『税』タブ(4.4 (6)参照)から変更を行います。また『伝票設定』画面では、「端数処理方法」で「通貨別」と「伝票別」が選択できますが、ここでは「通貨別」を選択した例を元に説明します。
『伝票設定』画面を開くには、メインメニューの「管理→システム設定→伝票設定」をクリックします。『取引先マスタ』画面を開くには、メインメニューの「取引先→取引先マスタ」をクリックします。
そのほか、伝票上で使用している価格表が純額価格表(税抜価格表)か総額価格表(税込価格表)か(8.1 (7)参照)、また、『伝票設定』画面/『一般』タブの「行ごとに税額の端数を処理」項目が選択されているかなどが、伝票上の「単価」、「総額」、「合計(国内通貨)」、「税額(国内通貨)」、「割引前価格」、「税額」、「合計」項目の値に影響します。これらの設定の組み合わせパターンは後述します。
(2) 消費税端数処理 純額価格表、行ごとに税額の端数を処理の選択あり - トランザクション -
純額価格表(税抜価格表)を使用し、『伝票設定』画面/『一般』タブの「行ごとに税額の端数を処理」項目を選択している場合、最初に伝票上の「単価」項目に価格表に設定されている金額が入力されます。次に「単価」×「数量」×税率によって計算された税額が「税額(国内通貨)」項目に入力されますが、その際、取引先マスタに設定されている端数処理方法に従って行ごとに税額が端数処理されます。
(3) 消費税端数処理 純額価格表、「行ごとに税額の端数を処理」の選択なし - トランザクション -
純額価格表(税抜価格表)を使用し、『伝票設定』画面/『一般』タブの「行ごとに税額の端数を処理」項目を選択していない場合、最初に伝票上の「単価」項目に価格表に設定されている金額が入力されます。次に「単価」×「数量」×税率によって計算された税額が「税額(国内通貨)」項目に入力されますが、端数処理は行われず小数点6桁までを持つ金額になります。その後各明細の税額を集計し、伝票レベル(税グループごと)に端数処理が行われます。その際、取引先マスタに設定されている端数処理方法に従って税額が端数処理されます。
(4) 消費税端数処理 総額価格表、「行ごとに税額の端数を処理」の選択あり - トランザクション -
総額価格表(税込価格表)を使用し、『伝票設定』画面/『一般』タブの「行ごとに税額の端数を処理」項目を選択している場合、最初に伝票上の「総額」項目に価格表に設定されている金額が入力されます。次に「総額」×税率/(1+税率)×「数量」によって計算された税額が「税額(国内通貨)」項目に入力されますが、その際、取引先マスタに設定されている端数処理方法に従って行ごとに税額が端数処理されます。
(5) 消費税端数処理 総額価格表、「行ごとに税額の端数を処理」の選択なし - トランザクション -
総額価格表(税込価格表)を使用し、『伝票設定』画面/『一般』タブの「行ごとに税額の端数を処理」項目を選択している場合、最初に伝票上の「総額」項目に価格表に設定されている金額が入力されます。次に「総額」×税率/(1+税率)×「数量」によって計算された税額が「税額(国内通貨)」項目に入力されますが、端数処理は行われず小数点6桁までを持つ金額になります。その後、各明細の税額を集計し、伝票レベル(税グループごと)に端数処理が行われます。その際、取引先マスタに設定されている端数処理方法に従って税額が端数処理されます。