(1) 手形入金を行うための前提条件 - マスタ - - 設定 -
手形による入金を行うためには、いくつかの事前設定、定義が必要となります。最初に『会社情報』画面の「手形使用」項目を選択します。『会社情報』画面を開くには、メインメニューの「管理→システム設定→会社情報」をクリックします。
自社銀行情報を定義します。自社銀行情報は『取引銀行口座-定義』画面から行います。ここで「銀行コード」、「銀行名」、「支店」、「口座番号」を入力します。また、「G/L勘定」、「回収銀行」、「割引銀行」項目に勘定科目コードを選択します。『取引銀行口座-定義』画面を開くには、メインメニューの「管理→定義→入出金→取引銀行口座」をクリックします。
得意先の銀行情報を入力しておく必要があります。得意先の銀行情報は『取引先マスタ』画面/『支払条件』タブ(4.4 (4)参照)から入力します。このとき入力する銀行は『銀行-定義』画面で「銀行コード」及び「銀行名」をあらかじめ定義しておく必要があります。
『銀行-定義』画面を開くには、メインメニューの「管理→定義→入出金→銀行」をクリックします。『取引先マスタ』画面を開くには、メインメニューの「取引先→取引先マスタ」をクリックします。
また、得意先には「受取手形」、「割引手形」、「手形回収」にそれぞれ勘定科目コードを選択する必要があります。得意先に対する勘定科目コードの入力は『取引先マスタ』画面/『会計』タブ(4.4 (6)参照)から行います。このとき「受取手形」項目に入力する勘定科目コードは『勘定コード表』画面(2.9参照)で「統制勘定」項目を選択しておく必要があります。『取引先マスタ』画面を開くには、メインメニューの「取引先→取引先マスタ」をクリックします。
最後に手形入金用の支払方法を定義します。支払方法の定義は『支払方法-定義』画面から行います。『支払方法-定義』画面では「支払方法コード」、「テキスト」を入力し、「支払タイプ」で「入金」、「支払方法」で「手形」を選択します。また、ここでは「手形オプション」の「承認用に送信」項目を選択しておきます。定義した支払方法は得意先に設定します。得意先への支払方法の設定は『取引先マスタ』画面/『支払システム』タブから行います。
『支払方法-定義』画面を開くには、メインメニューの「管理→定義→入出金→支払方法」をクリックします。『取引先マスタ』画面を開くには、メインメニューの「取引先→取引先マスタ」をクリックします。
手形入金を行うためには、『入金』画面(9.1参照)で得意先を選択し、一覧から売掛請求書を選択した状態で『支払方法』画面を開き、『手形』タブを選択します。『支払方法』画面を開くには、メニューバーの「ジャンプ→支払方法」を選択するか、ツールバーの をクリックします。
『支払方法』画面/『手形』タブに表示される「支払方法」項目で支払方法を選択し、「合計」項目に入金額を入力します。また「ステータス」項目では「送信済」と「生成済」を選択することができますが、ここでは「生成済」を選択します。
(3) 手形管理 – 回収 - トランザクション -
手形入金を行った場合、入金データは『手形管理』画面に表示されます。『手形管理』画面では手形の受取、決済などの処理にしたがって、手形のステータスを変更していきます。ステータスには「送信済」、「生成済」、「預金済」、「支払済」、「取消済」、「不渡り」、「終了」(完了)の7種類があり、ステータスの変更時に自動仕訳がおこります。前述の入金処理ではステータスを「生成済」にしましたが、「送信済」の場合には自動仕訳はおこりません。ここでは手形の回収処理を行い、ステータスは「生成済」→「預金済」→「支払済」→「終了」の順で変更します。
『手形管理』画面は、メインメニューの「入出金→手形→手形管理」をクリックし、選択条件を絞り込んで表示します。
最初に送信済ステータスの手形入金データを生成済に変更します。『手形管理』選択画面の「伝票タイプ」項目で「入金」、「ステータス」項目で「送信済」を選択し「OK」ボタンをクリックし送信済ステータスの手形入金データを表示します。次に、「送信済」ボックスで該当の手形入金データを選択し、「移動先」項目を「生成済」にし「更新」ボタンをクリックします。
ステータスを「送信済」から「生成済」に変更すると、債権勘定(売掛金)を受取手形勘定に振り替える仕訳が自動的におこります。
最初に生成済ステータスの手形入金データを預金済に変更します。『手形管理』選択画面の「伝票タイプ」項目で「入金」、「ステータス」項目で「生成済」を選択し「OK」ボタンをクリックし生成済ステータスの手形入金データを表示します。「生成済」ボックスで該当の手形入金データを選択し、「移動先」項目を「預金済」にします。また、自社の取引銀行を選択し、さらに「回収」か「割引済」を選択します。ここでは「回収」を選択します。
ステータスを「生成済」から「預金済」に変更すると、回収銀行勘定(当座預金)に入金額が計上される仕訳が自動的におこります。そのときの相手勘定は手形回収勘定(仮勘定)になります。
次に「預金済」ステータスの手形入金データを「支払済」に変更します。「預金済」ボックスで該当の手形入金データを選択し、「移動先」項目を「支払済」にします。
ステータスを「預金済」から「支払済」に変更すると、受取手形勘定に計上されていた金額が消し込まれる仕訳が自動的におこります。そのときの相手勘定は手形回収勘定(仮勘定)になります。
会計仕訳としては、回収処理の場合は「支払済」ステータスで終了ですが、「支払済」ステータスの手形入金データは「預金済」や「不渡り」へステータスを変更することができます。他のステータスへ変更できないように処理を完了するためには、「終了」ステータスへ手形入金データを移動します。
「支払済」ボックスで該当の手形入金データを選択し、「移動先」項目を「終了」にします。
(4) 手形管理 – 割引 - トランザクション -
手形の割引処理も、操作は回収処理とほぼ同じです。ステータスは「送信済」→「生成済」→「預金済」→「支払済」→「終了」の順で変更します。ただし、「生成済」→「預金済」→「支払済」の順でステータス変更する際におこる自動仕訳で、使用される勘定科目が異なります。
『手形管理』画面は、メインメニューの「入出金→手形→手形管理」をクリックし、選択条件を絞り込んで表示します。
「生成済」ステータスまでは、前述の回収処理と同じ処理ですので、「生成済」ボックスにある手形入金データを「預金済」に変更する操作から説明します。「生成済」ボックスで該当の手形入金データを選択し、「移動先」項目を「預金済」にします。また、自社の取引銀行を選択し、さらに「回収」か「割引済」を選択します。ここでは「割引済」を選択します。
ステータスを「生成済」から「預金済」に変更すると、割引銀行勘定(当座預金)に入金額が計上される仕訳が自動的におこります。そのときの相手勘定は割引手形勘定(仮勘定)になります。
次に「預金済」ステータスの手形入金データを「支払済」に変更します。「預金済」ボックスで該当の手形入金データを選択し、「移動先」項目を「支払済」にします。
ステータスを「預金済」から「支払済」に変更すると、受取手形勘定に計上されていた金額が消し込まれる仕訳が自動的におこります。そのときの相手勘定は割引手形勘定(仮勘定)になります。
最後に回収処理の場合と同様、他のステータスへ変更できないように、「終了」ステータスへ手形入金データを移動します。
「支払済」ボックスで該当の手形入金データを選択し、「移動先」項目を「終了」にします。