外貨取引はすべて、転記日付の外貨為替レートに従って国内通貨やシステム通貨でも管理されます。しかし為替レートは日々変動するため、転記日付のレートと現在のレートが違う場合、国内通貨、システム通貨と外貨の残高が現在のレートで換算すると一致しない場合があります。
為替差損益は、債権・債務計上時と入金・支払の際のレートが違う場合に生じるものです。為替評価差異(3.14 (2)参照)と似ていますが、為替評価差異はレポート出力時に意図的に起こすものであり、為替差損益は入金・支払時に自動的に計上されるものです。既に外貨での請求書の入力については販売管理/購買管理モジュール応用操作編で述べましたが、ここでもう一度請求書の入力から説明します。
先程入力した売掛請求書のレートは1USD = 100JPYですので、債権(売掛金)の日本円換算金額は、計上金額(USD)×為替レート(100JPY/USD)となります。しかし、為替レートは日々変動しています。入金、支払時に、為替レートが仮に1USD = 110JPYの場合、先に計上された金額は日本円に換算すると計上金額(USD)×為替レート(110JPY/USD)となり、結果として(計上金額(USD)×為替レート(110JPY/USD))-(計上金額(USD)×為替レート(100JPY/USD))の為替差益が発生することになります。