17.5では、印刷レイアウトデザイナの基本的な使用法について述べましたので、さらに印刷レイアウトデザイナの少し応用的な使用法について説明します。また、ここでも売掛請求書の印刷レイアウトを例とします。
(1) 繰返エリアのソート
売掛請求書などのように画面上で明細行が複数ある場合、表示/印刷時は明細行を表示/印刷する繰返エリアも複数行になります。その際、印刷レイアウトデザイナで表示/印刷時に明細行のソートをかけることができます。
ここでは、アイテムコードによって明細行のソートをかけます。
(2) 繰返エリアのグループ化
売掛請求書などのように画面上で明細行が複数ある場合、項目内容が同じ明細は、まとめて表示/印刷することができます。例えば、アイテムコードが同じものはまとめて表示し、アイテムコードごとに小計を表示させるということが可能です。
（3） クエリに対する印刷レイアウトの作成
これまでは、標準画面の印刷レイアウトの作成を行ってきましたが、既存のクエリおよび新規に作成したクエリの実行結果に対しても印刷レイアウトを作成することが可能です。ここでは、まず『クエリジェネレータ』(17．1参照)もしくは『クエリウィザード』(17．2参照)を使用して取引先一覧を表示させるクエリを作成します。
次に『クエリマネージャ』画面を開き、先程作成したクエリの実行結果を印刷する際のベースとなるデザインテンプレートを選択します。『クエリマネージャ』画面を開くには、メニューバーの「ツール→クエリ→クエリマネージャ」を選択します。
ベーステンプレートを選択して保存すると、『印刷レイアウトクエリ』画面からクエリの実行結果の印刷および印刷プレビューの表示を行うことができます。『印刷レイアウトクエリ』画面を開くには、メニューバーの「ツール→クエリ→印刷レイアウトクエリ」を選択します。
（4） 項目の外国語表示
印刷レイアウトには英語表記のものも用意されており、海外の取引先に送付する伝票などは英語表記の印刷レイアウトをデフォルトとして設定しておくことができます。しかし英語の印刷レイアウトを使用している場合でも、アイテム名称などはデータベースから取得するため、名称が日本語の場合、日本語で表示/印刷されます。そのためSAP Business Oneではアイテムマスタなどのマスタ類に自国語以外の外国語名称を持たせ、表示/印刷の際に外国語名称を使用することができます。
ここでは、アイテムに英語名称を定義し、海外の取引先に対する売掛請求書を表示/印刷するとき、英語表記の印刷レイアウト及び、英語のアイテム名称が自動的に使用されるように設定を行います。複数言語を使用するためには、『会社情報』画面／『初期設定』タブで「複数言語サポート」を選択しておく必要があります。また、使用する言語について、『言語－定義』画面であらかじめ定義が必要です。『会社情報』画面を開くには、メインメニューの「管理→システム設定→会社情報」をクリックします。『言語－定義』画面を開くには、メインメニューの「管理→定義→一般→言語」をクリックします。
アイテムに英語名称を定義するためには、『アイテムマスタ』画面を開き、「テキスト」項目にカーソルを当て、メニューバーの「ジャンプ→翻訳」を選択します。
『アイテムマスタ』画面を開くには、メインメニューの「在庫→アイテムマスタ」を選択します。
次に、『取引先マスタ』画面／『一般』タブの「言語」項目で、各取引先の言語を定義します。『取引先マスタ』画面を開くには、メインメニューの「取引先→取引先マスタ」をクリックします。
最後に、言語設定を他言語(English)にした取引先に対する売掛請求書のデフォルト印刷レイアウトを、英語表記のレイアウトに変更します。ここでは、標準で用意されているレイアウトを使用します。
