コラム

戦略的BPO利用への意識の低さ

日本は米国に比べ、「経営資源へのコア業務への集中」「業務拡大への柔軟な対応」といった、戦略的なBPO利用への意識が低い。また、BPOの業務領域別に利用割合を見ても総じて米国のほうが高く、多くの企業が幅広い業務領域でBPOを活用しています。

(参考)米国の戦略的BPOの利用事例 プルデンシャル・ファイナンシャル社

大規模な国際展開戦略(新たなコア業務)を実行するために、BPOベンダを「経営パートナ」として利用することで、業務プロセスの徹底的な可視化・合理化、コア業務への人員集中等を実施します。
人材管理(Human Resource)に関する10以上の間接業務(給与、福利厚生、人材育成など)を、包括的にアウトソーシングします。

人材の処遇、BPOベンダに関する情報不足

戦略的BPOへの意識の低さに加え、日本企業は以下の課題を抱えています。

  1. BPOコストとメリットへの認識不足(≒戦略的BPO利用への認識不足)
  2. 当該業務に従事していた人材の処遇が困難
  3. BPO事業者に関する情報不足

中小サービス業のBPO利用の低さ

中堅・中小企業は大企業と比較するとBPOの利用割合が低いものの、満足度では大企業と比較しても遜色ない高い水準にあります。
今後のBPO利用においても、大企業と同等程度の意向を示しています。
中堅・中小企業は利用してみるとBPOの良さと実感しているが、実態としての利用は少ない状態にあると言えます。

市場規模とBPOベンダ企業の日米比較

米国では、1989年イーストマン・コダック社がIBMへBPOを行った案件を皮切りにBPOが急速に普及しました。2012年には世界のBPO市場の50%を米国が占めるようになっています。
また、世界ランキング「The Global Outsourcing 100」の上位10社のうち半数が米国企業であり、日本企業はランク入りしていません。