SAP Business Oneの購買管理で、7種類の伝票(購買発注、購買入庫、購買返品、購買請求書、購買クレジットメモ、購買予約請求書、輸送コスト)が入力できます。これら7種類の伝票のうち、購買入庫、購買返品、購買請求書、購買クレジットメモ、購買予約請求書、購買締請求書、輸送コストは会計上の取引が発生します。そのためSAP Business Oneでは、上記の伝票を入力すると、システムが自動的に仕訳伝票(3.4 (3)参照)を作成します。各伝票入力時に作成される仕訳は以下の通りです。
各勘定の勘定科目コードは、「勘定コード設定単位」(5.3 (4)参照)が倉庫の場合は『倉庫-定義』画面/『会計』タブに設定された勘定科目コード、アイテムグループの場合は『アイテムグループ-定義』画面/『会計』タブに設定された勘定科目コード、アイテムレベルの場合は『アイテムマスタ』/『在庫データ』タブに直接入力された勘定科目コードになります。なお、買掛前払金依頼、買掛前払請求書については10章で後述します。
購買請求書から入力した場合、購買入庫伝票を入力した際におこるべき自動仕訳が、購買請求書を入力したときに同時におこります。
また、購買伝票を入力する場合、先行する処理で作成した購買伝票を参照することができます。先行の購買伝票を参照して作成された伝票は、リンクをたどって参照元の伝票を照会することができます。
SAP Business Oneは、購買管理モジュールと在庫モジュールが連動しているため、例えば購買発注伝票を入力すると、アイテムがオーダー済となり、購買入庫伝票を入力すると、在庫が自動的に増加します。また購買入庫に対して、購買返品伝票を入力すると、在庫が自動的に減少します。アイテムの在庫は4種類のステータスを持っており、各購買伝票を入力することによって、ステータスが変化します。各ステータスの意味は以下の通りです。
SAP Business Oneの購買伝票画面は、それぞれの伝票で多少の違いはありますが、ほぼ同じレイアウトです。購買伝票はヘッダ情報領域、明細情報領域、フッタ情報領域で構成されています。ヘッダ情報領域には「仕入先」や「転記日付」、明細情報領域には、「アイテムコード」や「数量」、フッタ情報領域には「注釈」などを入力します。また、フッタ情報領域には、明細を入力した結果の合計金額が表示されます。
また、購買伝票画面は、『明細』タブ以外にも『ロジスティクス』タブと『会計』タブがあります。『ロジスティクス』タブでは「出荷先」や「支払先」などの情報を、『会計』タブでは「支払条件」などの情報を入力します。