SAP Business Oneの前払金処理は、買掛前払金依頼(10.11参照)もしくは買掛前払金請求書によって実現されます。ここでは買掛前払金請求書の入力を行います。
(1) 伝票入力の前提知識
買掛前払金請求書伝票は、購買発注、購買入庫などの購買伝票を参照して入力することができます。買掛前払金請求書伝票を使用する場合、通常は購買発注~購買入庫~買掛前払金依頼~出金(前払金計上)~購買請求書~出金の順で伝票を入力します。
購買入庫~買掛前払金請求書~出金(前払金計上)~購買請求書~出金の順で伝票入力を行うと、以下のような会計仕訳がおこります。
購買請求書を入力する際に計上される債務(買掛金)金額が、前払金金額分だけ減額されます。
(2) 買掛前払金請求書伝票入力のための前提条件 - マスタ - - 設定 -
買掛前払金請求書を入力するためには、仕入先に対して「前受/前払金消込勘定」項目に勘定科目コードを選択しておく必要があります。仕入先に対する勘定科目コードの入力は『取引先マスタ』画面/『会計』タブ(4.4 (6)参照)から行います。
『取引先マスタ』画面を開くには、メインメニューの「取引先→取引先マスタ」をクリックします。
(3) 買掛前払金請求書伝票入力及び支払 - トランザクション -
買掛前払金請求書伝票を直接入力することもできますが、ここではまず購買入庫伝票(7.3参照)を入力し、入力した購買入庫伝票を参照して買掛前払金請求書伝票を入力する例で説明します。
『購買入庫』画面を開くには、メインメニューの「購買管理→購買入庫」をクリックします。
『買掛前払金請求書』画面を開くには、メインメニューの「購買管理→買掛前払金請求書」をクリックします。『買掛前払金請求書』画面の「仕入先」項目にカーソルを置き、Tabキーを押して、既に定義済みの取引先マスタ(4.4参照)から仕入先を選択します。
「転記日付」、「期日」、「伝票日付」にはシステム日付が初期値として入力されます。また、「番号」項目で伝票シリーズを選択します。伝票シリーズは『伝票採番号-定義』で事前に定義します(2.11参照)。
仕入先を選択した後、「コピー元→購買入庫」ボタンをクリックして、一覧から購買入庫データを選択します。
(4) 購買請求書伝票入力及び支払 - トランザクション -
続いて購買請求書(7.4参照)を入力します。入力する際、買掛前払金請求書を入力したときに参照したものと同じ購買入庫伝票を参照します。
『購買請求書』画面を開くには、メインメニューの「購買管理→購買請求書」をクリックします。