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7.8 輸送コスト - トランザクション -

輸送コスト機能を使用すると、商品を輸入する際などにかかる輸送費用、保険料等の輸送コストを元のアイテム価格に上乗せして、アイテムの在庫価格(簿価)を再計算することができます。

『輸送コスト』画面を開くには、メインメニューの「購買管理→輸送コスト」をクリックします。『輸送コスト』画面の「仕入先」項目にカーソルを置き、Tabキーを押して、既に定義済みの取引先マスタ (4.4参照)から仕入先を選択します。

 「代理店」項目には、輸入手続や通関手続の代行を依頼した代理店のコードを入力します。「仕入先」項目と同様、「代理店」項目にカーソルをおき、Tabキーを押して、既に定義済みの取引先マスタ (4.4参照)から代理店を選択します。代理店は、通常の仕入先と同様に取引先マスタに定義しておきます。「代理店」項目は参考情報であり、輸送コストの計算には影響しません。

 「転記日付」「期日」にはシステム日付が初期値として自動入力されます。

また、「番号」項目で伝票シリーズを選択します。伝票シリーズは『伝票採番』で事前に定義します(2.11参照)。選択した伝票シリーズによって伝票番号が自動採番されます。

輸送コスト伝票は通常、既に入庫済みのアイテムに対して輸送費や保険料などの輸送コストを追加します。つまり入力済みの購買入庫伝票を参照して入力します。

 「コピー元」ボタンで購買入庫をクリックすると、「仕入先」項目で選択された仕入先に対して、入力された購買入庫伝票の一覧が表示されますので、その一覧から対象の伝票データを選択します。データを選択すると、『アイテム』タブに参照した購買入庫伝票の明細情報がコピーされます。

購買入庫伝票を参照したら、次に『輸送コスト』画面/『原価』タブで輸送コストの金額を入力します。輸送コストの種類は事前に『輸送コスト-定義』画面で定義しておきます。『輸送コスト-定義』画面を開くには、メインメニューの「管理→定義→購買→輸送コスト」をクリックします。2005Bでは、輸送コストを簿価に反映させるためには、『輸送コスト』画面/『仕訳帳』タブの「仕訳伝票登録」ボタンをクリックして仕訳伝票の登録を行う必要がありましたが、2007Bでは、輸送コスト伝票を追加した時点で仕訳伝票が自動的に転記されます。仕訳伝票では、在庫勘定に輸送コスト金額が計上され、『輸送コスト-定義』画面の「輸送コスト配賦勘定」項目に設定された勘定が、在庫勘定の相手勘定として計上されます。

『輸送コスト-定義』で事前に輸送コストの種類を定義しておくと、『輸送コスト』画面/『原価』タブに定義しておいた輸送コストが自動的に表示されます。各輸送コストの金額を「金額」項目に入力します。初期状態で「配賦基準」には『輸送コスト-定義』で選択した配賦基準が入力されていますが、『輸送コスト』画面で変更することができます。

輸送コスト金額を入力すると、配賦基準に従って各明細に輸送コスト金額が配賦されます。

『詳細』タブの「支出」項目では、各明細のアイテムに輸送コストを配賦するかどうかを指定します。コストを配賦しない明細(アイテム)がある場合は、その分の配賦されなかった輸送コスト金額は残りのアイテムに配賦されます。

入力内容を確認後、問題がなければ「追加」ボタンをクリックし、輸送コスト伝票の追加を行います。ここでは全明細のアイテムに輸送コストを配賦し、在庫価格に反映させる場合を例に説明します。

輸送コスト伝票の追加による自動仕訳は、『輸送コスト』画面/『一般』タブの「取引番号」項目から照会することができます。

また、輸送コスト機能では輸送費用、保険料等の輸送コストの他に、輸入の際にかかる関税も元のアイテム価格に上乗せすることができます。

関税の種類は『関税グループ-定義』で事前に定義しておき、『アイテムマスタ』画面/『購買データ』タブ(5.3 (2)参照)でアイテム別に設定しておくことができます。『関税グループ-定義』画面を開くには、メインメニューの「管理→定義→在庫→関税グループ」をクリックします。『アイテムマスタ』画面を開くには、メインメニューの「在庫→アイテムマスタ」をクリックします。関税を設定したアイテムが『輸送コスト』画面で選択されると、「見積関税」項目に関税の税率に応じて関税額が自動入力されます。

『輸送コスト』画面のフッタ情報領域には、「実際関税」という項目があります。初期状態では、「実際関税」「見積関税」と同じ金額が入力されますが、この金額は、仕訳伝票を登録するまで変更することができます。「実際関税」の金額を変更すると、自動的に各アイテムに関する関税が再計算されます。

入力内容を確認後、「追加」ボタンをクリックすると仕訳伝票が自動的に転記され、関税及び輸送コストがアイテムの在庫価格(簿価)に反映されます。

『輸送コスト』画面の『アイテム』タブには、「関税による在庫への影響」という項目があります。初期状態では、「関税による在庫への影響」が選択されていますが、この選択を外し「追加」ボタンをクリックし仕訳伝票を登録すると、『関税グループ-定義』画面で「関税費用勘定」項目に設定した勘定で仕訳伝票が自動的に転記されます。また関税は、アイテムの在庫価格(簿価)に反映されません。

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