FTP vs. MFT:何が違う?

FTP vs. MFT:何が違う?

Goanywhere2022.10.07

日々の業務において、機密データの転送は欠かせないものとなっています。しかし、機密データの保護・セキュリティ担保が求められる場合には、セキュアに転送可能なソリューションの選択が不可欠です。

もしFTPのようなベーシックな転送方法と、MFTのような先進的なソリューションのどちらを選択すべきか悩んでいるのであれば、ぜひこちらを読んでください。

FTPとは?

オリジナルのファイル転送プロトコルであるFTPは、数十年間にわたりファイルをコンピュータネットワーク上のクライアントとサーバ間で転送するために使われている、基本的なネットワークプロトコルです。インターネットのようなTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)で構成されたネットワーク上で、ファイルの交換や操作をするのに適しています。

FTPでは、ユーザ認証情報はプレーンテキストとして、ファイルは暗号化されずに転送されます。暗号化されていないこれらの情報は、傍受されたり利用される危険性があります。しかし、アクセスするには認証されたユーザ名とパスワードを要求されます。

FTPは、暗号化のスキルが欠けているだけでなく、自動化のような機能も不足し、コンプライアンスの要求も満たしていません。加えて、FTPユーザは接続障害や、使いにくい機能などの問題点についてもしばしば報告されています。

MFTとは?

MFTとはManaged File Transferの略で、転送ファイルの送受信が可能な、包括的で安定したファイル転送のソリューションです。MFTは、産業基準のネットワークプロトコルや暗号化方法を、転送中および静止中の機密データの保護のために活用しています。

MFTは、週に数十から、一日に数千のファイル転送を必要とする、あらゆる規模の組織で使えます。MFTの革新的な機能は、ファイル転送の質の向上と、重要データの保護ポリシー、レギュレーションに従う組織を手助けします。

MFTを使うことで、時間のかかる手作業の置き換えや、転送の単純化、自動化、シームレス化、中央管理点からの追跡を可能にします。MFTによって、データはネットワーク、システム、アプリケーション、および取引相手との間を迅速にやり取りできるようになります。MFTはクラウドやオンプレミス、両方を含んだ環境、もしくはMFTaaSを介してこれらを行います。


本質的に、ファイル管理・転送ソリューションは、全体的なファイル転送コストの削減、サイバーセキュリティ対策の劇的な改善、FTPのような脆弱なファイル転送プロトコル利用からの乗り換えの検討など、近年高まっている組織のニーズに応えるために存在しています。

主な違い─FTP vs. MFT

では、FTPとMFTの主な違いについて比較して見ていきましょう。

【サイバーセキュリティ】

FTP
データを保護することは、すべての組織にとって最重要なことです。残念ながら、FTPは現代のサイバーセキュリティ問題に対処するだけの機能が、十分には備え付けられていません。また、FTPはデータを送受信するための十分な証明機能も持っていません。FTPのユーザ認証はプレーンテキストと情報を、ファイルやほかのドキュメントのように平文で転送されます。これはつまり、情報が暗号化されず、ノウハウのある人であれば誰でもFTP経由の転送ファイルにアクセスして盗み見ることができてしまうことを意味します。

MFT
MFTは、ユーザアクセスと操作の機能に焦点を当てた、ファイルの送受信を保護することにより、組織のサイバーセキュリティレベルを向上させることができます。広範囲のセキュリティコントロールと、組織がパスワードポリシーやLDAP、AD、またはその他の認証システムで管理されたユーザ認証の設定をしている、という特徴があります。

【暗号化】

FTP
FTPは、ファイルの送受信の際、暗号化されません。そのため、機密ファイルであろうとなかろうと、クラウド内でやり取りされているファイルを誰でもネットワーク上で見ることができてしまいます。しかし、これはハッカーだからというわけではありません。社員もベンダーも、そうでない人でさえも送信ファイルを見ることができます。

MFT
組織データのプライバシーと誠実さを保証することは不可欠です。MFTは、転送中および静止中のデータのリスクを低減するため、不正なアクセスからデータを安全に保つ、Open PGPやAESのような最先端の暗号化技術を取り入れています。

【ファイル転送】

FTP
FTPは基本的な特徴に欠けています。例えば、FTPを用いてファイルの自動転送を行うためには、2つ目のソリューションを加えねばならないため、これはあまり推奨できません。また、FTPは新技術にも推奨できません。なぜなら、FTPはセキュリティ機能の追加やアップデートが行われないため、組織はすぐにFTPが使えなくなってしまうからです。例えば、AzureやAWSのようなクラウド、またはクラウドを用いたコンピューティングプラットフォームに統合したいとき、FTP以外の何かを使うか、多くのリスクを受け入れるかのどちらかを選ばなければいけません。

MFT
MFTは使いやすいインターフェースで転送ファイルの作成、テスト、自動化を可能にします。また、誰かが編集したり、閲覧したり、送信してシステム内を移動したすべてのファイルに対して追跡できるシステムも備えています。
組織は必要であればファイルの転送が失敗した際には通知を受け取り、自動で再試行することも可能で、貴重な時間をトラブル解決に費やす必要がなくなります。繰り返しタスクの自動化は繰り返し機能により信頼性の向上になり、またユーザが機密データに触れる回数を制限できます。

【時間、費用、価値ある資源】

FTP
FTPは時間を浪費します。開発、メンテナンス、トラブル解決、またその他の手動プロセスは時としてユーザの負担になります。特に厄介なのが、初めて起こるトラブルに対し、オフィスに対応できる職員がいない場合です。
もう一つ考慮する点は、無料のファイル転送ソフトは初期費用を抑えられるかもしれませんが、データ破損の際には費用と評判の両方に関して、より高額な潜在的費用を含んでいるということです。

MFT
MFTは多様な方法で自動化とコストカットを行います。複雑なセットアップが必要なファイル転送も、簡単に操作、スケジューリングすることで、組織はより効率的なプロセスの構築と、生産性の高いスタッフの育成が可能となり、大量の繰り返し転送ファイルをタイムリーに処理できるようになります。トラブルシューティングプロセスの構築は、トラブルの解決ができるだけでなく、そこに割く人員の削減にもつながります。

【コンプライアンス要求】

FTP
端的に言うと、FTPは暗号化や監査などのサイバーセキュリティ能力、そのほかにも多くの機能が欠けているため、重要な要件やレギュレーションに従う組織の一助にはならないということです。

MFT
組織が暗号化されたファイルの転送ができるということは、機密でハイリスクな情報を魔の手から保護するために作られたHIPAAのような業界特有のコンプライアンス要求、およびその他の規制が、既存の、そしてこれからのプライバシー法において不可欠です。
暗号化に加えて、MFTは組織に監視、追跡、監査の機能を付与します。そしてMFTを使うことで、すべてのファイルサービス活動と関連したプロセスに簡単にアクセスできるようになります。