ALM(設備資産ライフサイクル管理)

設備資産の価値を最大化する
統合型ライフサイクルマネジメント

ALM(資産ライフサイクル管理)とは

ALM(Asset Lifecycle Management:アセットライフサイクルマネジメント)は、企業が保有する設備やインフラなどの「資産(アセット)」を、その導入から廃棄までの全ライフサイクルにわたって最適に管理する手法です。
企業に潜むリスクを管理し、無駄なコストを削減するため、

  • AIP(Asset Investment Planning:設備投資計画)
  • APM(Asset Performance Management:設備パフォーマンス管理)
  • EAM(Enterprise Asset Management:設備資産管理)

を一気通貫でカバー。
これらのプロセスにAIを組み込み、設備資産のライフサイクル全体をデータドリブンで最適化する統合的なアプローチです。
老朽化設備や脱炭素対応など複雑化する経営環境に対し、AIとデータを 活用したプラットフォームで投資判断から運用までをつなぎ、企業全体のレジリエンスと持続可能性を高めます。

AIP・APM・EAM の設備管理プロセスにおける情報連携図

AIP(Asset Investment Planning:設備投資計画)

AIPは、設備の更新・増設・入れ替えといった投資判断を、データに基づいて最適化するための仕組みです。
設備の状態、残存寿命、故障リスク、運用コストなどを多角的に評価し、どのタイミングでどの設備へ投資すべきかを可視化します。
これにより、感覚的・属人的な判断に頼らず、長期的な設備投資計画を精度高く立案できます。経営資源の無駄を抑えながら、企業全体の設備ポートフォリオを健全に保つための重要なプロセスです。

 

APM(Asset Performance Management:設備パフォーマンス管理)

APMは、設備の稼働データやセンサーデータをリアルタイムで収集・分析し、性能を最大化するための管理手法です。
故障予兆の検知や異常検出により、突発停止を未然に防ぎ、設備の稼働率を高く維持します。
また、データにもとづき保全の優先度やタイミングを最適化できるため、過剰な保全コストを抑えつつ、現場の作業負荷軽減にもつながります。
設備の安定稼働とリスク低減を実現する、デジタル時代の保全管理の中核を担う領域です。

 

EAM(Enterprise Asset Management:設備資産管理)

EAMは、設備台帳や点検履歴、故障情報、保全計画など、設備に関するあらゆる情報を一元管理し、運用・保守・更新までを包括的に最適化するための枠組みです。
データが統合されることで、現場の保全作業の標準化や属人化の解消が進み、設備状態を正確に把握しながら効率的に運用できます。
さらに、コスト削減、生産性向上、設備寿命の延伸といった経営的メリットにもつながり、ALM(アセットライフサイクルマネジメント)全体の基盤として多くの企業に採用されています。

EAM(設備資産管理)
設備資産管理を最適化し、 コスト削減と生産性向上を実現

設備資産管理を最適化するための具体的な取り組みや導入の流れ、現場で得られる効果などを詳しく紹介しています。
ぜひご覧ください。

ALMの重要性とその背景

現代のビジネス環境は、テクノロジーの進化やグローバル化、環境規制の強化により急速に変化しています。
この変化に対応するため、設備管理も従来の事後対応型から、IoTやAIを活用した予防・予知保全型へ抜本的に見直され、効率化と持続可能性の両立が求められています。
しかし、こうした進化に伴い、設備の故障や品質低下のリスクも顕在化しており、更新投資が後手に回るだけでなく、保全業務が特定技術者に依存して属人化しているという課題も浮き彫りになっています。
加えて、IoT技術の普及により取得できるデータ量は飛躍的に増加していますが、その活用が十分に進んでいないのが現状です。
さらに、複数拠点を持つ企業では、拠点ごとに設備管理の基準や運用方法が異なることが多く、全社的な統一した管理体制の構築が難しくなっています。

これらの背景を踏まえ、企業が抱える主な課題としては次の点が挙げられます。

  • 老朽化設備の増加によるリスクの顕在化
  • 技術者不足や経験依存からの脱却
  • 設備データの増加と活用ニーズの高まり
  • 複数拠点を横断した管理レベルの統一
  • 設備投資計画における判断材料の不足

これらの課題に対応するためには、単一のデータや部門視点にとどまらず、設備情報を「つなぐ」全社的なアプローチが必要です。
ALMはその基盤となる考え方であり、設備管理の精度向上、業務の標準化、投資判断の高度化を実現するうえで、企業規模を問わずその重要性が高まっています。

ALMがもたらす効果

ALMは企業の資産ライフサイクル管理において、特に以下の項目において大きな効果をもたらします。


設備の稼働率向上
設備の稼働率向上
  • 予知保全を活用し、設備のダウンタイムを最小限に抑え、生産効率を向上させます。
  • 設備のパフォーマンスをリアルタイムで監視することで、問題の早期発見・対応が可能です。
コスト削減
コスト削減
  • 予防保全の強化を通じて設備の故障リスクを減らし、突発的な修理・メンテナンスを削減します。
  • 最適なタイミングで設備を更新することにより、過剰な投資や不要なコスト発生を回避します。
意思決定の精度向上
意思決定の精度向上
  • リアルタイムのデータを基に意思決定を行えるため、判断精度が向上します。
  • 設備パフォーマンスやメンテナンス履歴を一元管理することで、情報共有をスムーズに行えます。
リスク管理の強化
リスク管理の強化
  • 設備の状態を常に監視することで、故障のリスクを予測し未然に防ぐことができます。
  • 適切な保守管理を行うことで、事故やトラブルのリスクを低減、設備の安全性を確保します。
資産の最適化
資産の最適化
  • 設備の適切な保守管理を行うことで、設備の寿命を延ばし資産価値を最大化します。
  • 使用頻度が低い設備を把握して、無駄な資産を削減し、より効率的に運用することが可能です。
持続可能性の向上
持続可能性の向上
  • 設備のエネルギー使用を最適化し、環境への負荷を軽減します。
  • 設備の長寿命化と最適化を進めることで、不要な廃棄物や資源の浪費を削減します。


ALMの実現ステップ

企業の設備管理や資産運用を最適化するには、計画的なステップが欠かせません。
ここではALMを効果的に実現するための主要なステップを、導入から運用までの一連の流れに沿って紹介します。

ALM導入の流れを示す5ステップ(現状把握〜運用改善)の図



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