Ansibleとは?

Ansibleとは?

Ansible2025.08.25

Ansibleとは?

はじめに

現在、ITインフラの複雑化が進む中で、効率的な管理を実現するための自動化ツールが注目されています。
その中でも代表的なツールがAnsible(アンシブル)です。
SOLPACのDevice Orchestrationでは、Ansibleを使ってPCキッティングの自動化を実現しています。
本コラムでは、Ansibleについて解説します。

Ansibleの基本概要

Ansibleは、サーバーやネットワーク機器の構成管理・自動化を行うオープンソースの構成管理ツールです。
複数のサーバーに対し、ソフトウェアのインストール、任意のコマンドの実行、パッチ適用といったことを一括実行することが可能で、2012年に開発されてから現在まで個人から大規模企業まで幅広く利用されています。
Ansibleは、エージェントレスで動作すること、設定ファイルの記述が分かりやすいこと、モジュールが豊富に用意されていることが大きな特長です。

特長1:エージェントレス

多くの構成管理ツールでは、エージェントと呼ばれるソフトウェアを、操作対象のホストにインストールする必要があります。
しかし、Ansibleでは操作対象のホストでWinRMまたはSSHで接続できれば、それだけで使い始めることができます。 WinRMもSSHも、OSに付属する一般的な機能です。クラウドやオンプレミスを問わず、マルチプラットフォームに対応できます。

特長2:設定ファイルの分かりやすさ

Ansibleの設定ファイルは2種類あり、これを組み合わせて対象ホストで処理を実行させます。

  • Inventory ・・・処理を実行したいホストのIPアドレスを列挙したもの
  • Playbook ・・・実行したい処理内容を記載したもの
Playbookに記載される処理内容はYAMLというシンプルな記法で表現されており、プログラミング経験が無い方でも習得しやすく可読性が高いものになっています。
また、いずれの設定ファイルもプレーンテキストであるため、保守性にも優れています。
チーム全体での設定内容の共有や、変更前後の差分比較もスムーズになるといったことがメリットです。

特長3:豊富なモジュール

Ansibleではモジュールと呼ばれる、ファイル操作といった特定の処理を実行するための小さなプログラムが豊富に用意されており、必要最小限のパラメータを渡すだけで済みます。
また、Ansibleのモジュールは「冪等性」という、同じ操作を何度実行しても結果が変わらない特性を備えています。
例えばソフトウェアをインストールしたい場合、すでにインストール済みであれば処理をスキップしてくれます。これにより、再実行することによるエラーが防止され、設定の一貫性が確保されます。

ソルパックでのAnsible活用事例

インフラ構築と運用での活用

ソルパックでは、サーバ構築と運用でAnsibleを活用しています。

  • これまで数日かかっていたサーバ構築をわずか数時間に短縮
  • 200台超のサーバを管理し、定期メンテナンスや障害復旧の自動化を実現
  • Playbookをそのまま構築手順書にすることで、ドキュメント作成の手間を削減
  • InventoryとPlaybookをバージョン管理することで、いつ、何が変わったかの把握が容易に

研修での活用

ソルパックでは、ITインフラの自動化を推進する一環として、新人研修にAnsibleのPlaybook作成を取り入れています。
研修では、Windows端末のドメイン参加やユーザー作成、ソフトウェアのインストールなど、実際の業務で必要とされる構成管理タスクを題材にPlaybookの記述から実行まで以下のステップで体験してもらいます。
研修を通じて得られた知見は、PCキッティングやサーバー構築など他の業務領域への展開も視野に入れており、今後の業務効率化に大きく貢献することが期待されています。
Ansibleはプログラミング初心者にも扱いやすく、インフラ自動化の学習に適したツールです。

まとめ

  • Ansibleはインフラの自動化と構成管理を効率化できるツールです。
  • エージェントレス、シンプルな設定ファイル、豊富なモジュールが特徴です。
  • インフラの構築、運用での業務負荷を大幅に軽減することが可能です。
  • 扱いやすい設定ファイルにより、教育や情報共有の効率化にも貢献します。

PCキッティング業務の課題に対し、ソルパックが“自動化・効率化・高精度化”を実現する最適なソリューションをご提案します。 ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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