勤怠管理システムと給与管理システム 連携していますか?

勤怠管理システムと給与管理システム 連携していますか?

Goanywhere2023.02.01

はじめに

GoAnywhereMFTは、あらゆるシステム・クラウドサービス等にクライアント側として接続する機能を持っています。この機能を使用し、様々なクラウドサービスのAPIを呼び出し、データの取得や更新処理を自動化することが可能です。
本記事では、GoAnywhereMFTを用いて勤怠管理システム(KING OF TIME)と給与管理システム(円簿給与)間の連携を実現する方法をご紹介します。

手動での勤怠管理システムと給与管理システムの連携の問題点

手動での連携では、勤怠管理システム内の勤怠データを確認しながら給与管理システムへ手入力、または勤怠管理システムから勤怠データをcsvファイル等で出力し、給与管理システムへの取込用のcsvファイル等に手動で変換、ファイルをアップロード、等の非常に手間と時間のかかる作業が必要となります。また、人の手で入力、計算を行うため、入力ミスや計算ミスが発生する可能性があります。

勤怠管理システムと給与管理システムを連携することで得られる3つのメリット

次に勤怠管理システムと給与管理システムを連携することで、どのようなメリットを得られるのかご紹介します。

  • 勤怠管理システムのデータをもとに、自動で給与計算を行える
    システム間を連携することにより、勤怠管理システムで得た情報をもとに自動で給与計算が行われます。従業員ごとに各種手当の設定も行えるので、各従業員に合わせた給与計算を行うことができます。

  • バックオフィス業務の負担軽減、パフォーマンスの向上につながる
    自動で計算されるので、正しく数字が入力されているか、正しく計算されているかの確認作業が不要となるので、大幅に作業時間の削減が見込まれるだけでなく、煩雑な処理によるミスやトラブルを防ぐことができます。

  • 法改正に対応している
    システム間の連携は、時間や労力を削減するだけではありません。
    法改正が行われた場合、法改正に沿った設定が行えるなど柔軟に対応できます。
    煩雑な手続きを取る必要がなく、新たな制度にスムーズに移行することができます

勤怠管理システムと給与管理システムの連携方法

ここからは、GoAnywhereMFTを用いてどのようにして連携を行うのか、KING OF TIME(勤怠管理システム)と円簿給与(給与管理システム)を例にして、連携方法についてご紹介します。

Step1:勤怠管理システムのAPI呼び出し、対象部門の従業員の勤怠データを取得
KING OF TIME Web APIを利用して、給与計算に必要な従業員のデータを取得します。
今回は特定の事業部の指定した年月の月別勤務データを取得します。

KING OF TIME Web APIの仕様については下表の通りです。

コンポーネントライブラリ内のウェブサービスフォルダからRest GETタスクをプロジェクト概要へドラッグアンドドロップします。
次に、RESTサーバーとURIを指定します。URIに関して、GoAnywhere側では以下のように指定します。
(日付や事業部コードは変数でも指定可能で、変数で指定する場合は${}のように指定してください。)

GoAnywhereでのURIの指定方法
URI:/monthly-workings/2022-12?division=***&additionalFields=currentDateEmployee
            月別勤務データ     年月指定           事業部コード

勤務データを取得するにあたって、アクセストークンが必要となります。
Rest Getタスクの「追加する」ボタンから「リクエストヘッダを追加する」をクリックして、指定されたアクセストークンの名前と値を指定します。

Step2:取得した勤怠データを加工し、給与管理システムへの取込用ファイルに変換
KING OF TIMEからレスポンスされたファイルを読み込み、給与管理システムに取り込めるようにするために、ファイル形式をJSONからCSVへ変換します。
まずコンポーネントライブラリ内のデータ変換フォルダから、Read JSONタスクをプロジェクト概要へドラッグアンドドロップし、データを読み込みます

次に同じくデータ変換フォルダから、Write CSVタスクをプロジェクト概要へドラッグアンドドロップします。
給与管理システムに準拠した形に値を変換して、CSVファイルへ書き込みます。

書き出されたCSVファイルは以下のようになります。

取込可能な主要な項目と仕様は以下の通りです。(一部省略)

項目名

形式

桁数

説明

従業員氏名(姓)

文字

15

必須

従業員氏名(名)

出勤日数

日数

-

整数部:1~2桁

小数部:0~2桁の数値

出勤時間

時間

-

(1~3桁):(1~2桁)または(1~3桁):(1~2桁):(1~2桁)の文字列

残業時間

時間

-

(1~3桁):(1~2桁)または(1~3桁):(1~2桁):(1~2桁)の文字列

深夜残業時間

時間

-

(1~3桁):(1~2桁)または(1~3桁):(1~2桁):(1~2桁)の文字列

遅刻・早退回数

回数

-

整数部:1~2桁

小数部:0~2桁の数値

遅刻・早退時間

時間

-

(1~3桁):(1~2桁)または(1~3桁):(1~2桁):(1~2桁)の文字列

欠勤日数

日数

-

整数部:1~2桁

小数部:0~2桁の数値

有給日数

日数

-

整数部:1~2桁

小数部:0~2桁の数値

Step3:給与管理システム画面からCSV取り込み
給与管理システム画面から操作を行い、CSVファイルを取り込みます。
(※APIが用意されている場合はこちらも自動化可能)

実際に取り込まれた画面は以下の通りです。

以上の3ステップで完了です。

まとめ

GoAnywhereMFTでは、勤怠管理システムの勤怠データを出力、給与管理システム側のフォーマットに合わせたデータへの変換、まで自動で行うことができるため、業務効率化を図ることができます。またGoAnywhereMFTは、対象のサービスやシステム側で用意されているAPIや機能を利用して、連携を自動化するため、本記事で紹介したKOTや円簿給与以外のサービスでも対応が可能です。対象のサービスに合わせて自由に転送定義をカスタマイズできます。

<今回扱った製品の詳細について>
KING OF TIME:
https://www.kingoftime.jp/

円簿給与:
https://www.yenbo.jp/service-info/kyuyo.html