Web-APIで国税庁から適格請求書発行事業者番号を照合

Web-APIで国税庁から適格請求書発行事業者番号を照合

Goanywhere2023.04.03

はじめに

GoAnywhereMFTは、あらゆるシステム・クラウドサービス等にクライアント側として接続する機能を持っています。この機能を使用し、様々なクラウドサービスのAPIを呼び出し、データの取得や照合処理を自動化することが可能です。

本記事では、GoAnywhereMFTを用いて国税庁が提供するWeb-APIとGoAnywhereを連携させて、取引先登録の際に発生する登録番号の確認作業を自動化する方法をご紹介します。

インボイス制度開始に向けて

令和5年10月1日から適格請求書等保存方式(インボイス制度)が開始されます。インボイス制度開始にあたって、消費税の課税事業者に該当する事業者は適格請求書発行事業者の登録が必要となり、仕入税額控除を受けるために取引先の事業者登録番号の収集が必須になります。

インボイス制度の概要

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に、「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータを言います。

  • インボイス制度とは
    <売手側>
    売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
    買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    (※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

    ※参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm

取引先の事業者登録番号を確認する方法として、国税庁が運営する「適格請求書発行事業者公表サイト」があります。
上記サイトにて、登録番号を入力することで、
取引先から受領した請求書等に記載されている番号が「登録番号として」取引時点において有効なものか(適格請求書発行事業者が取消等を受けていないか)
を確認することができます。
しかし、各社の登録番号を確認していく作業は多大な時間を要します。

そこで、GoAnywhere MFTに備わっているREST API機能と、国税庁が提供する「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能」を連携させることで、自動で登録番号の照合を行うことができます。

GoAnywhereとWeb-APIの連携方法

ここからは、どのようにしてGoAnywhereMFTと国税庁が提供するWeb-APIと連携を行うのか簡単にご紹介します。

 


はじめに

Step1で必要となるため、新規のプロジェクトを作成しておきます。

 

Step1:フォームを作成

-SecureForm機能を使用します-
Secure Form:ユーザーに入力フォームのUIを提供し、個人-システム間のデータ・ファイル連携を実現する機能です。
フォームに入力されたデータやファイルに対して定義(データチェックやDB連携等)を自動実行します。

  1.  [ サービス ] > [ セキュアフォーム ] > [ フォームマネージャ ] に移動し、[ フォームを追加 ] から新規作成を行います。

  2. 各タブの必須項目を入力後、コンポーネントタブに移動します(プロジェクトタブのプロジェクトは、事前準備で作成したプロジェクトを指定します)。

    A.[ テキストフィールド ]をドラッグアンドドロップします。
    B.必須項目等を入力します(※変数名は後ほどプロジェクトで使うので、分かりやすい名前に設定することを
    推奨します)。
    C.[ 保存 ]を押して、フォームの作成は完了となります。

実際のフォーム画面がこちらです。

Step2:Web-APIの呼び出し、対象のデータを取得

ここからは、プロジェクトを作成していきます。

  • Read CSV タスク
    HTTPタスクで取得したCSVファイルを読み込みます。

    ・入力ファイル:読み込むファイルを指定します。
    ・出力行セット変数:入力ファイルから読み取られたデータを格納する変数の名前を指定します。(例:API)
  • Secure Form Response タスク(成功時)
    Secure Form を送信した時に、カスタムの成功またはエラーメッセージを表示するためのタスクです。
    ここでは、登録番号が存在した際のレスポンスを指定します。

    ・状態:Successfulを選択します。
    ・メッセージ:登録番号が存在した際に、フォームに表示する文章を指定します。
     
  • Secure Form Response タスク(エラー時)

    ・状態:Error を選択します。
    ・メッセージ:エラー時にフォームに表示する文章を指定します。

実際のSecure Form のレスポンス画面がこちらです。

<存在する登録番号を入力した場合>

 

 

<存在しない登録番号を入力した場合>

まとめ

GoAnywhereMFTでは、APIを用いることで、ファイル転送のみならず様々なサービスと連携し業務効率化を図ることができます。またGoAnywhereMFTは、対象のサービスやシステム側で用意されているAPIや機能を利用して、連携を自動化するため、本記事で紹介した以外のサービスでも対応が可能です。