ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いとは?どちらが向いている?

ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いとは?どちらが向いている?

セキュリティ2025.03.24

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近年、セキュリティの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が増加しています。

その対策として、ペネトレーションテストや脆弱性診断の実施を検討している方も多いと思いますが、両者を混同して理解している方もいるのではないでしょうか?

 

本コラムでは、ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いについて詳しく解説しています。

適切なセキュリティ対策を選ぶために、どちらを実施すればよいか判断できるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。

ペネトレーションテストと脆弱性診断の違い

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はじめに、ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いを確認してみましょう。

ペネトレーションテストとは

ペネトレーションテストは、組織がサイバー攻撃を受けた際の耐久性を検証するテスト手法です。

システムに対しホワイトハッカーが攻撃を仕掛け侵入を試みることから、侵入テストとも呼ばれます。

脆弱性診断とは

脆弱性診断は、組織内のシステムを構成するネットワーク・OS・ミドルウェア・Webアプリケーションなどの問題点(脆弱性)を検知するテストです。

診断を実施することにより、システムの中にサイバー攻撃で悪用可能な脆弱性が存在するかどうかを確認します。

ペネトレーションテストと脆弱性診断の違い

ペネトレーションテストと脆弱性診断は、どちらもセキュリティ対策のために必要な診断です。

しかし、目的や調査対象範囲など、両者には明確な違いがあります。

 

以下の比較表を参考に、それぞれの違いを詳しく見てみましょう。

 

ペネトレーションテスト

脆弱性診断

目的

セキュリティ対策状況の評価、想定される被害レベルの確認

脆弱性を網羅的に検出すること

診断方法

ツールと手動による診断

ツールと手動による診断

調査対象範囲

広範囲におけるシステム全体

特定のシステムやアプリケーション

実施頻度

12回など定期的に実施するのが望ましい

開発・アップデート後に実施するのが望ましい

レポート内容

侵入経路、攻撃手法、侵入に利用した脆弱性、今後の改善策など

発見された脆弱性一覧、リスク評価、今後の改善策など

 

両者の違いを理解するうえで重要なのは、調査対象範囲です。

ペネトレーションテストがシステム全体に向けて疑似攻撃を仕掛けるのに対し、脆弱性診断は特定のシステムやアプリケーションに向けて診断を行います。

具体的には、脆弱性診断は新しく開発したアプリケーションやツールなど、より狭い範囲を対象としているのが特徴です。

 

両者ともシステムの脆弱性を特定するのに役に立つテスト手法ですが、近年のサイバー攻撃は巧妙化しており、脆弱性がなくても被害を受ける可能性があります

ペネトレーションテストを行えば、脆弱性診断ではカバーしきれない攻撃への対応力を評価できます。

 

対策として、どちらか一方を実施すれば十分というわけではありません。目的に応じて適切な手法を組み合わせ、より強固な防御を目指しましょう。

どちらが向いている?ペネトレーションテストと脆弱性診断

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次に、ペネトレーションテストをおすすめする企業と脆弱性診断をおすすめする企業について確認してみましょう。

ペネトレーションテストをおすすめする企業

ペネトレーションテストをおすすめするのは、特に以下3項目にあてはまる企業です。

  • セキュリティ対策や体制を第三者目線で評価したい企業
  • サイバー攻撃などを検知する組織(SOC)の精度を明らかにしたい企業
  • インシデント後に対応する組織(CSIRT)の能力を向上させたい企業

 

ペネトレーションテストを利用すれば、第三者の専門家の視点からセキュリティ対策状況の評価を受けられます。

結果、内部の視点では気づけないセキュリティの弱点を発見し、対策を強化することが可能になります。

 

セキュリティ人材の確保が難しい中、SOC(ソック)やCSIRT(シーサート)の外部サービスを利用している企業も多いと思います。

これらのサービスの実効性を第三者の視点から評価し、どの程度機能しているのか、さらに強化すべきポイントはどこかを明確にすることもできます。

脆弱性診断をおすすめする企業

脆弱性診断は、次の3項目に当てはまる場合に実施をおすすめします。

  • セキュリティ診断を受けたことがない企業
  • セキュリティシステムをアップデートした企業
  • 開発したシステムに欠陥がないか確認したい企業

 

これまでに第三者からセキュリティ診断を受けたことがない場合は、脆弱性診断を受けてみることをおすすめします。

専門家による客観的な診断を受けることで、内部の視点では気づきにくい脆弱性が見つかることがあります。

 

また、診断を受けることは、企業の信頼性向上にも役立ちます。

外部の専門機関による診断を実施していることを顧客や取引先に示すことで、セキュリティ対策への取り組みを証明できるためです。

 

さらに、脆弱性診断は、システムのアップデートや開発時などイベントごとに実施することが重要です。

開発の過程で意図せず脆弱性が生じる可能性があるため、放置せず適切な対策を講じる必要があります。

 

システムの開発やアップデートは一度行えば終わりではなく、継続的なメンテナンスが必要です。

そのため、脆弱性診断も定期的に実施し、最新のセキュリティ状態を維持することが重要です。

ペネトレーションテストを行うメリットとおすすめツール

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ペネトレーションテストを行うことでセキュリティ対策の不足している箇所が明確になり、今後の対策が立てやすくなります。

そして、ソルパックでは「TANUKI」というツールをおすすめしています。

ペネトレーションテストを行うメリット

ペネトレーションテストを実施するメリットは、単にセキュリティの脆弱性を把握することだけではありません。

ホワイトハッカーによる疑似攻撃を通じて、想定される脅威に対し、セキュリティ対策の不足している箇所を明確にできる点が最大の利点です。

ペネトレーションテストを行うことで、現在のセキュリティ対策のどこに改善が必要かを具体的に特定でき、より効果的な対策を立てやすくなるでしょう。

ペネトレーションテストのおすすめツール

ソルパックでは、ペネトレーションテストサービス「TANUKI」を提供しています。

TANUKIは完全自律型のAIが対応するサービスであるため、テスト担当者のスキルに依存せず、高品質なテストを実施できる点が大きなメリットです。

 

従来のペネトレーションテストは、テストを実施するのに高度なスキルを持った人材が対応する必要がありました。

セキュリティ業界全体でテストを実施できる人材が不足している状況ということもあり、担当が変わることでテストの品質にばらつきが出たり、定期的な実施が難しくなったりする課題がありました。

 

TANUKIは、従来のペネトレーションテストの課題を解決する革新的なサービスです。

主な特長

  • テストの実行からレポート作成までをAIが自動対応
  • 担当者に依存せず、一貫した高品質なテストを提供
  • AIによるテストのため、繰り返し実施も容易

 

TANUKIの詳細については以下のページに記載しています。
TANUKI | ソルパックコーポレート

 

まとめ

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ペネトレーションテストと脆弱性診断は、どちらもセキュリティ対策のために必要な診断です。

しかし、目的や対象範囲など両者には明確な違いがあるため、実施を検討する際には目的に合わせ必要なサービスを選ぶようにしましょう。

 

診断結果をもとに今後の具体的なセキュリティ対策を検討したい場合は、想定される脅威に対し対策の不十分な箇所を明確にできるペネトレーションテストの実施をおすすめします。

近年のサイバー攻撃はますます巧妙化しており、システムに明らかな脆弱性がなくても被害を受けるリスクが高まっています。

そのため、ペネトレーションテストは一度きりではなく、定期的に実施することが重要です。

 

ソルパックの提供するTANUKIはAIによる自動化を特長とするペネトレーションテストサービスです。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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