常に安定して動いているIBM iで、なぜ将来リスクを確認する必要があるのか

常に安定して動いているIBM iで、なぜ将来リスクを確認する必要があるのか

IBM i2026.09.28

現在稼働しているAS400/IBM iについて、運用体制やシステム資産から将来リスクを確認する記事のメインビジュアル

IBM iが現在も安定して動いているため、「特に見直す必要はない」と考えている企業もあります。

IBM iは基幹業務を長期間支えている環境も多く、安定して稼働しているシステムを理由なく変更する必要はありません。一方で、「現在問題なく動いている」ことと、「今後も同じ体制で運用を継続できる」ことは分けて考える必要があります。

IBM iを継続利用するのか、一部を改善するのか、別環境への移行を検討するのか。その判断を行うためにも、まず現在のシステムと運用の状態を整理することが重要です。

「現在動いている」だけでは将来の運用継続性は判断できない

IBM iの運用継続性を考える際、システム障害が発生しているかどうかだけを見ると、確認すべき課題を見落とす場合があります。

例えば、システムを理解している担当者が1名しかいない、仕様書が長期間更新されていない、稼働プログラムの作成元ソースを確認できないといった状態でも、通常運用中は問題が表面化しないことがあります。

現在問題なく稼働しているかどうかだけでなく、担当体制や保守に必要な情報が今後も継続して維持できるかを確認することが大切です。

そのため、「今動いているから継続する」「人材不足だから移行する」といった単純な判断ではなく、技術・人材・運用など複数の観点から現状を把握することが求められます。

現在の安定稼働と将来の運用継続性を分け、担当者やドキュメント、ソース確認の必要性を整理した比較図

担当体制とドキュメントの状態を確認する

まず確認したいのは、現在のIBM iを理解している担当者と、その知識がどこまで文書化されているかです。
日常運用を複数人で行えていても、障害対応やRPGプログラムの改修は特定担当者しか対応できない場合があります。

また、仕様書や設計書が存在していても、長年の改修内容が反映されず、現行システムとの間に差分が生じていることがあります。

今後の方針を決める際には、システムそのものだけでなく、「誰が運用・保守できるのか」「どの情報が残っているのか」も判断材料になります。

AS400/IBM iの担当体制について、日常運用や障害対応、RPG改修、設計書の状態を確認する5項目のチェックリスト

システム規模とカスタマイズの実態を把握する

IBM iの規模を見る際は、プログラム本数だけで判断しないことも重要です。

プログラム本数が少なくても、一つひとつのソースが長く、処理内容が複雑な場合があります。また、長年の個別改修によって独自処理が積み重なっている環境もあります。

移行を検討する場合は、現在IBM i上で実現している処理のうち、次期システムでも必要なものを確認します。

夜間バッチや処理性能など、日常業務を支えている条件も含めて整理することで、継続利用・改善・移行の比較をするための情報が揃います。

プログラム本数だけでなく、ソースの複雑さや個別改修、夜間バッチ、処理性能からシステム規模を整理する比較表

実際に使っている機能を確認する

システムに存在している機能と、現在の業務で実際に使われている機能は必ずしも一致しません。
長年運用している環境では、過去に追加されたメニューやプログラムが残っていても、現在は利用されていない場合があります。

逆に、情報システム部門が把握していない処理を、業務部門が利用していることもあります。

継続利用する場合でも移行する場合でも、「何があるか」だけではなく、「何が現在必要なのか」を把握することが重要です。

システムに存在する機能と現在の業務で必要な機能を分け、実際の利用状況を確認する重要性を整理した比較図

IBM i周辺の業務や運用も確認する

実際の業務は、IBM i単体で完結しているわけではなく、周辺の業務プロセスや他システムと連携して運用されているケースが少なくありません。

そのため、将来の方針を検討する際には、IBM i内部のプログラムやデータだけでなく、関連する業務や周辺処理についても整理しておくことが重要です。

業務全体の流れを把握することで、継続利用・改善・移行のいずれを選択する場合でも、現在必要となっている処理や運用を見落としにくくなります。

IBM iを中心にExcelマクロ、外部システム、他拠点システムとのデータ加工やファイル連携を整理した関係性マップ

全面刷新だけでなく段階的な改善も選択肢になる

現状を整理した結果、すべてを現行のまま維持するか、すべてを別環境へ移行するかという二つの選択肢だけになるとは限りません。

安定している基幹部分はIBM iで継続し、ユーザーインターフェースや外部連携、運用方法など、必要な部分から見直す方法も考えられます。

モダナイゼーションを全面刷新と同じ意味で捉えず、既存資産を活かす部分と改善する部分を切り分けて考えることが重要です。

現状を把握することで、自社にとって最適な選択肢を検討しやすくなります。

AS400/IBM iの現状把握を起点に、継続利用、部分改善、移行検討の3つの将来方針を整理した関係性マップ

まとめ

現在安定して動いているIBM iであっても、担当体制、ドキュメント、システム規模、カスタマイズ、利用機能、外部連携などを確認すると、将来に向けて整理しておくべき課題や情報が見えてくることがあります。

重要なのは、現状を確認する前から「使い続ける」「移行する」という結論を決めることではありません。現在の業務やシステム資産を把握し、継続利用する部分、改善する部分、移行を検討する部分を整理したうえで判断することが大切です。


SOLPACは、IBM i環境のシステム規模やプログラム資産、カスタマイズ、利用機能などを整理し、システムの現状把握を支援しています。

「今は問題なく動いているので、まだ何もしなくてよい」と考えるのではなく、将来も安心して使い続けるために、まずは現在のIBM iがどのような状態なのかを確認してみませんか。

継続利用する部分、改善する部分、移行を検討する部分を整理し、今後のIBM iの利用方針を検討したい場合は、ぜひSOLPACへご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. IBM iの現状調査では、具体的に何が分かりますか?

A. システムの規模やプログラム資産だけでなく、どのような業務で使われているのか、担当者に知識が集中していないか、ドキュメントが整備されているか、外部システムとどのように連携しているかなどを整理できます。これにより、現在の運用上の問題だけでなく、将来リスクになり得る部分も把握しやすくなります。

Q2. 現状調査をすると、すぐにシステムを改修・移行する必要がありますか?

A. 必ずしもそうではありません。現状を把握した結果、現在の環境をそのまま継続して利用できる場合もあります。重要なのは、問題があるかどうかを確認したうえで、継続利用、改善、移行などの選択肢を検討することです。

Q3. IBM iを長く使っているため、どこから調べればよいのか分かりません。

A. 長年運用しているIBM iでは、プログラムやデータが増え、担当者の経験に依存している部分も少なくありません。まずはシステムの規模やプログラム資産、利用状況、外部連携などを整理し、全体像を把握することから始めることをおすすめします。

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