ランサム攻撃が相次ぐ今、IBM iのウイルス対策を見直す

ランサム攻撃が相次ぐ今、IBM iのウイルス対策を見直す

IBM i2026.10.19

IBMiメインビジュアル、チャート図抜き。

1. ランサム攻撃は、依然として企業にとって最重要の脅威

不正アクセスやランサムウェア被害の公表が続き、企業には情報漏えいだけでなく、業務停止や取引先への影響まで見据えた備えが求められています。

IPAが2026年1月に公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向け脅威の第1位に「ランサム攻撃による被害」、第2位に「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が挙げられました。さらに「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて第3位に選出されています。

ランサム攻撃は、自社だけの問題ではありません。
委託先や取引先を起点として影響が広がる可能性もあるため、入口対策だけでなく、重要なシステムやデータを守る多層的な対策が必要です。

2. 「IBM iは安全」という認識だけでは十分ではない

IBM iは高い信頼性とセキュリティを備えたプラットフォームとして知られています。
しかし、近年はファイル共有やシステム連携が増加しており、IBM i上に保存されたファイルがマルウェアの保管場所や感染経路となる可能性もあります。
IBM iには、ファイルアクセス時にセキュリティ製品と連携する仕組みが備わっていますが、ウイルスやマルウェアを検出する機能そのものは標準搭載されていません。
そのため、IFS上のファイルを検査するには、専用のアンチウイルス製品による対策が有効です。

見落とされやすいIFSとは

IFS(Integrated File System/統合ファイルシステム)は、IBM i上で一般的な階層型ファイルを扱うための領域です。
Windows PCからネットワーク共有として利用したり、業務システムやファイル転送で受け渡すファイルを保管したりする場合があります。
IBM i上に保存されたファイルは、ネットワーク共有やファイル連携を通じて他のシステムとやり取りされることがあります。
そのため、万が一マルウェアを含むファイルが保存された場合、共有先や連携先へ影響が広がる可能性があります。

IFSで想定される主なリスク

利用場面

注意したい点

ネットワーク共有

 感染したPCがアクセスできる共有領域では、
ファイルの改変や暗号化の影響が及ぶ可能性があります。

 ファイル転送・連携  安全な通信経路を使っていても、
受け渡すファイル自体が安全とは限りません。
 重要データの保管  検知や隔離が遅れると、業務継続や復旧作業に影響する
可能性があります。

3. ランサムウェアは共有領域にも被害を広げる

ランサムウェアは、感染した端末内のファイルだけでなく、その利用者がアクセスできるネットワーク共有上のファイルを暗号化する場合があります。
IBM iのIFSを共有領域として利用している場合も、対岸の火事とは言えません。

PC側のウイルス対策やファイアウォールは重要ですが、単独の対策ですべての侵入や被害拡大を防げるとは限りません。
重要なデータを保管するIBM i側でも、ファイルの検査、異常な暗号化挙動の検知、感染ファイルの隔離といった対策を組み合わせることが重要です。

4. IBM iネイティブで保護するPowertech Antivirus

Powertech Antivirus for IBM iは、IBM i向けに設計されたマルウェア対策製品です。
IBM iのファイルシステムをネイティブにスキャンし、ウイルス、ワーム、トロイの木馬、ランサムウェアなどの脅威への対策を提供します。

主な機能

• オンデマンド、スケジュール、ファイルアクセス時のスキャン
• マルウェア定義の自動更新 • 検知したファイルのクリーニングや隔離
• ヒューリスティック分析およびオブジェクトの整合性スキャン
• IBM iにおける振る舞いベースのランサムウェア検知とブロック
• カナリアファイルを利用した不審な暗号化活動の検知

アンチランサムウェア機能では、ユーザーのファイル操作を監視し、設定したしきい値を超える暗号化活動やカナリアファイルへの不正な変更を検知した場合に、該当ユーザーをブロックする仕組みが用意されています。

5. 安全なファイル転送と、ファイル自体の安全性は別の課題

SFTP、FTPS、HTTPSなどを用いた安全なファイル転送は、通信経路の盗聴や改ざんリスクを抑えるうえで重要です。
ただし、暗号化された経路で転送されるファイル自体がマルウェアに感染していないことまで保証するものではありません。
そのため、ファイル転送の安全性に加えて、保管先であるIBM i上でもファイルを検査するという考え方が重要です。
MFTによる安全な転送と、Powertech AntivirusによるIBM i側のマルウェア対策は、役割の異なる対策として組み合わせることができます。

6. まず確認したいチェックポイント

• IFSをWindowsの共有フォルダやネットワークドライブとして利用している
• 取引先や外部サービスとのファイル授受にIBM iを使用している
• IBM i上のファイルを対象としたマルウェアスキャンを実施していない
• 定期スキャンはしているが、ファイルアクセス時の検査は行っていない
• ランサムウェアを想定した検知・遮断方法を確認していない

一つでも該当する場合は、現在の構成や運用を整理し、IBM i側のマルウェア対策が十分かを確認することをおすすめします。

まとめ

IBM iは堅牢なプラットフォームですが、ファイル共有や外部連携が広がる現在、OSの信頼性だけに依存した対策では十分とは言い切れません。特にIFSを利用している環境では、感染ファイルの保存や共有領域の暗号化といったリスクを想定する必要があります。
Powertech Antivirusは、IBM iネイティブのスキャンに加え、振る舞いベースのランサムウェア検知やカナリアファイルなどを提供します。PC、ネットワーク、バックアップ、アクセス管理などの対策と組み合わせ、IBM iを含めた多層防御を検討することが重要です。


IBM iのIFS利用状況や、現在のウイルス対策が自社環境に合っているか確認したい場合は、
Powertech Antivirusの製品ページまたはソルパックまでお問い合わせください。

参考情報

IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」
https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.htm

ソルパック「Powertech Anti-Virus」
製品ページ: https://www.solpac.co.jp/products/Powertech-Anti-Virus/

注:製品機能や対応環境はバージョンや構成により異なる場合があります。導入検討時には、最新の製品資料および要件をご確認ください。

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