IBM i人材不足にどう備える?長期運用を続けるための考え方

IBM i人材不足にどう備える?長期運用を続けるための考え方

IBM i2026.09.07

IBM iやAS400の担当者不足を見据え、技術継承と長期的な運用体制を検討する記事のメインビジュアル

IBM i(AS400)を長年利用している企業では、「システムを理解している担当者が少なくなってきた」「RPGを扱える後継者を確保しにくい」といった課題に直面することがあります。

現在は問題なく運用できていても、日常運用や障害対応、プログラム改修の判断を特定の担当者に依存している場合、その担当者が退職・異動した後も同水準での運用継続が難しくなるリスクがあります。

IBM i人材不足への備えでは、採用だけを考えるのではなく、現在の担当体制やシステム資産を確認し、どの知識を社内に残すのか、どの部分を外部支援と組み合わせるのかを整理することが重要です。

IBM i人材不足は「担当人数」だけでは判断できない

IBM iの長期運用を考える際は、担当者が何人いるかだけではなく、それぞれがどの範囲まで対応できるかを把握することが重要です。

例えば、日常の定型作業は複数人で行えていても、障害発生時の切り分けやプログラム変更の判断はベテラン担当者にしか対応できない場合があります。

また、役職者や社歴の長い担当者に業務知識やシステム知識が集中し、新しく加わった担当者が十分に知識を習得する前に離職してしまうことで、結果として特定の担当者への依存が続くケースもあります。

そのため、担当者の人数を確保することに加えて、現在の業務がどの担当者の知識・経験に依存しているか、新しい担当者へ知識を引き継げる状態になっているかを確認することが重要です。

複数人で対応できる定型業務と、障害対応や変更判断など特定担当者に依存する業務を比較した図解

担当者がいるうちに、情報を整理する

人材不足への備えでは、担当者の知識を手順書へ書き写すだけでは十分でない場合があります。

確認したいのは、例えば次のような情報です。

  • 日常運用と例外時の対応方法
  • 仕様書や設計書と現行環境との差分
  • 稼働プログラムの作成元ソースの所在
  • 外部システムやExcel、マクロとの連携
  • 障害時に確認する処理や関係者
  • 長年の個別改修やカスタマイズ内容

現状調査を行うと、稼働しているプログラムは存在するものの、作成元のソースが確認できないケースもあります。

このような情報を担当者の退職直前になってから確認すると、本人でもすべてを整理できない可能性があります。将来の人員計画と並行して、現行環境の棚卸しを早めに進めることが重要です。


運用・例外対応、資料との差分、ソース、周辺連携、障害や個別改修まで棚卸しする5項目のチェックリスト

仕様書・ソースコードの不足が引き継ぎリスクを高める

IBM iを長期間利用している環境では、仕様書や設計書が古く、現在のシステムと内容が一致していなかったり、稼働しているプログラムの作成元ソースが確認できなかったりする場合があります。
こうしたドキュメントやソースコードの不足があると、後任者が現在の処理内容や変更の経緯を把握しにくくなります。
その結果、内容を把握しているベテラン担当者への確認が増え、担当者の退職や異動時には引き継ぎリスクが高まる可能性があります。

そのため、まずは仕様書や設計書、手順書、ソースコードの所在や内容を確認し、現行環境との差分や不足している情報を整理しておくことが重要です。

さらに、ドキュメントを整備しても、担当者が長年の経験から行っている「判断の仕方」まですべて残せるとは限りません。例えば、夜間バッチが通常どおり終了しなかった場合にどこを確認するのか、処理を再実行してよいか、どの業務部門へ確認するのかといった内容は、資料だけでは伝わりにくい情報です。

こうした暗黙知についても担当者へのヒアリングを通じて整理しておくことで、後任者が実際の運用に対応しやすい引き継ぎにつながります。


定型操作や処理手順と、異常時の確認先や再実行可否など経験に依存する判断事項を対比した整理表

IBM i外の処理も人材不足対策の対象にする

IBM iの運用を担当している人が把握しているのは、IBM i内部の処理だけとは限りません。

IBM iから出力したデータをExcelやマクロで加工している、外部システムへファイルを送っている、他拠点との連携を担当者が個別に管理しているといったケースがあります。

こうした周辺処理が整理されていないと、IBM i内部の引き継ぎが完了しても、実際の業務全体を後任者が把握できないことがあります。

人材不足への備えでは、システム単体ではなく、IBM iを利用した業務全体を確認する視点が必要です。


IBM iからExcel・マクロ、外部システムや他拠点までのデータ連携と確認範囲を整理した関係性マップ

育成・保守・外部支援を組み合わせて考える

IBM i人材不足への対応は、新しい担当者を採用することだけではありません。

既存担当者から後継者へ技術を引き継ぐ、RPGを習得できる機会を設ける、運用や開発の一部を外部へ依頼するといった複数の選択肢があります。

ただし、外部へ保守を依頼する場合も、現在のシステム情報や資料をすべて外部会社が把握できるわけではありません。既存資料の提供や担当者へのヒアリングなど、利用企業側での対応が必要になります。

重要なのは、「人が足りない」という状態だけを見るのではなく、どの業務・知識・システム資産に運用継続上の確認事項があるのかを把握したうえで体制を検討することです。

担当範囲の確認から情報棚卸し、属人化把握、引き継ぎ範囲整理、運用体制検討までを示す5ステップ

まとめ

IBM i人材不足に備えるためには、担当人数だけを見るのではなく、現在の担当者がどの業務や判断を担っているのかを確認する必要があります。手順書や仕様書、ソースコード、Excelや外部システムとの連携などを整理し、担当者の知識に依存している部分を把握することで、今後の引き継ぎや教育の範囲を検討しやすくなります。

IBM iを使い続けながら人材不足へ備える場合も、すべてを社内で対応する必要はありません。後継者育成と外部支援を組み合わせるなど、自社の体制に合わせて継続可能な運用方法を検討することが重要です。

SOLPACは、IBM i環境の現状整理を起点に、運用・保守、アプリケーション開発、技術継承やRPG研修など、長期運用に向けた支援を行っています。担当者の退職やRPG人材不足を見据え、どの情報から整理し、どのような体制を検討すべきかお悩みの際は、SOLPACへご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. IBM i・RPG人材不足には、まず何から備えるべきですか?

A. まずは担当者の人数だけでなく、日常運用、障害対応、RPG開発などを誰がどこまで対応できるか整理することが重要です。そのうえで、手順書や仕様書、ソースコード、外部システムとの連携など、特定担当者に依存している情報を確認します。

Q2. 手順書を整備すればIBM iの属人化対策として十分ですか?

A. 手順書は定型作業の引き継ぎに役立ちますが、例外時の判断や障害発生時の確認方法まですべて記載されているとは限りません。「どのような場合に何を確認するか」「誰に確認するか」といった担当者の判断も合わせて整理する必要があります。

Q3. IBM iの人材不足には外部保守を利用する方法もありますか?

A. 運用や開発の一部を外部支援と組み合わせる方法もあります。ただし、外部へ依頼する場合も、既存資料の提供や現場担当者へのヒアリングなど、利用企業側で対応する事項があります。自社に残す役割と外部へ依頼する範囲を整理しておくことが重要です。

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