SAP Business Oneでユーザ定義値を使ってみよう

SAP Business Oneでユーザ定義値を使ってみよう

SAP Business One2024.05.16

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ユーザ定義値について

SAP Business Oneの各画面で項目に値を入力するときに、リスト選択画面が表示される項目があります。(取引先コードやアイテムコードなど)
リスト選択画面はSAP Business Oneの標準機能ですが、リスト選択画面に表示されている情報が不足している場合は、「ユーザ定義値」と いうカスタマイズ機能で、リスト選択画面自体を作成することができます。(リスト選択画面の作成)
また「ユーザ定義値」では、ある項目の値が入力されると、別の項目に自動で値を入力させることもできます。(項目の自動入力)
そこで今回は、SAP Business Oneの「ユーザ定義値」をご紹介します。
例として、SAP Business Oneの受注伝票をもとに、ユーザ定義値の機能をご紹介していきます。
「ユーザ定義値」を使用するためには、まず必要なクエリ(SQL)を作成します。

①リスト選択画面の作成

下の画像は、SAP Business Oneの受注入力画面で、 表示されているリストは、アイテムコードを選択するときに表示される標準機能のリスト選択画面です。

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標準のリスト選択画面では、各アイテムの在庫数は表示されていますが、倉庫ごとの在庫は確認できません。
そこで、今回はアイテムコードを選択する際に、そのアイテムが各倉庫に現在いくつの在庫があるのかを表示する リストを表示させるために、以下のようなクエリを事前に作成して保存します。

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次に、受注画面のアイテムコード項目に保存したクエリを割り当てることで、アイテムコードを選択する際に、
クエリの実行結果がリスト選択画面として表示され、リストから値を選択入力することが可能です。

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②項目の自動入力

「ユーザ定義値」を使用して、ある項目に値を入力した際に、別の項目に値を自動入力させることもできます。
ここでは、明細項目にあるアイテムコード欄にアイテムコードを入力すると、フリーテキスト欄に、
選択したアイテムマスタの注釈が自動的に入力される例をご紹介します。

リスト選択画面の作成と同様に、事前に必要なクエリを作成します。
今回は、アイテムコードから、アイテムマスタの注釈を取得する以下のようなクエリを作成して保存します。

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次に受注画面のフリーテキスト項目に保存したクエリを割り当てます。
さらに、アイテムコードを選択したタイミングでクエリが自動実行されるように設定することで、アイテムコードを選択すると、 フリーテキストに自動的にアイテムマスタの注釈の内容が入力されます。

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これらのようにシンプルなものから、アイテム名称の部分一致検索など、表示する一覧を絞り込むリスト選択画面の作成や、 同じアイテムでも得意先によって自動入力される内容を変えるなど、複数の条件で自動入力する値を決定するなどの機能を 希望するユーザ様もいらっしゃいます。
ソルパックではユーザ様に沿ったカスタマイズのご提案をさせていただきます。

今回は、SAP Business Oneのユーザ定義値についてご紹介させていただきました。
今後も様々な機能をご紹介させていただきますので、ご参考にしていただきますと幸いです。