コールセンターの情報漏洩をどう防ぐか。個人情報を守る5つの視点

コールセンターの情報漏洩をどう防ぐか。個人情報を守る5つの視点

セキュリティ2026.10.16

20261016
コールセンター、お客様相談室、社内ヘルプデスク。呼び方は違っても、これらの窓口には一つの共通点があります。
「その会社で最も多くの個人情報が、最も多くの人の目に触れる場所」 だということです。
一般的な営業部門であれば、担当者が見るのは自分の担当顧客だけです。
しかし問い合わせ窓口では、電話が鳴るたびに違うお客様の氏名・住所・電話番号・契約内容・購入履歴・場合によっては口座情報や健康状態までが、オペレーターの画面に次々と表示されます。
1日に数十件、月に千件を超える個人情報に、一人のオペレーターが日常的にアクセスしている
——これがコールセンター業務の構造です。

では、この構造にはどのようなリスクが潜み、どう備えればよいのでしょうか。企業の経営者が持つべき5つの視点から整理します。

視点①:アクセス権限を絞れない業務であること

情報セキュリティの基本は「必要な人に、必要な情報だけ」を渡す最小権限の原則です。
ところが問い合わせ窓口では、この原則が成立しにくい。
なぜなら、どのお客様から電話がかかってくるかは事前にわからないからです。
「この顧客の情報だけ見られればよい」という設計ができず、結果としてオペレーター全員が顧客データベース全体に照会権限を持つことになります。権限を絞れないのであれば、残る手段は「見た記録を残す」ことです。誰が・いつ・どの顧客情報を照会したかが記録されている状態をつくることで、
権限の広さというリスクを、記録という別の手段で補うという考え方です。

視点②:「業務として正当な閲覧」と「不正な閲覧」が見分けにくい

外部からのサイバー攻撃であれば「本来アクセスすべきでない場所へのアクセス」が異常検知の手がかりです。
しかし問い合わせ窓口の内部不正は違います。 オペレーターが顧客情報を照会すること自体は、まったく正常な業務です。


問題は、業務と関係のない照会が、正常な照会の中に紛れている場合です。

・有名人・知人・近隣住民の契約情報を興味本位で閲覧する
・応対とは無関係の顧客情報を連続して表示する
・応対件数に比べて明らかに多い件数の顧客情報を照会する

これらは、システムのアクセスログだけでは「正常な業務」と区別がつきません。「どの画面を、どういう文脈で開いたか」を後から確認できる記録があって初めて、判別が可能になります。

視点③:持ち出しの手段が多様化していること

かつては「顧客リストを印刷して持ち帰る」が典型でした。しかし現在は、より発見しにくい手段が増えています。

画面の撮影は最も原始的でありながら、最も防ぎにくい手段です。私物スマートフォンで画面を撮影されれば、システム上のデータは1バイトも動きません。
持ち込み制限を敷いている事業者も多いですが、完全な運用は簡単ではありません。
手書きのメモも同様です。1件ずつであれば、時間をかけて相当な件数が持ち出せます。
データのコピー・送信は、外部記憶媒体、Webメール、クラウドストレージ、チャットツールなど、経路が年々増えています。
ここで重要なのは、「すべてを技術的にブロックすることは不可能」だと認めた上で対策を組み立てることです。ブロックできないものは、記録して抑止する。 これが現実的な設計思想です。「画面を長時間表示し続けている」「大量の顧客情報を次々に照会している」といった前段階の挙動を記録・検知できれば、撮影やメモによる持ち出しにも間接的対応できます。

視点④:委託・派遣・請負が混在する運用体制

多くのコールセンターは、正社員・契約社員・派遣社員・業務委託先スタッフが混在する体制で運営されているケースが少なくありません。所属も雇用形態も異なる方々が、同じフロアで同じ顧客情報を扱っています。

この体制自体は事業運営上の合理性がありますが、情報管理の観点では
「誰の責任で、誰を管理するのか」が曖昧になりやすい構造です。
派遣スタッフの入退場管理は派遣元、システムの権限付与は自社、実際の業務指示は現場のスーパーバイザー
——といった具合に、管理主体が分散します。

2023年には、通信大手グループでコールセンター業務等を担う会社において、元派遣社員が約900万件の顧客情報を不正に持ち出していたことが公表され、大きく報道されました。委託・派遣を含む体制での情報管理が、事業の存続を左右する経営課題であることを示した事例です。

視点⑤:漏洩したときの損害が「顧客との接点そのもの」を失うこと

問い合わせ窓口は、お客様が企業を信頼して個人的な事情を打ち明ける場所です。
「クレジットカードの明細に見覚えのない請求がある」「病気で支払いが難しい」「家族が亡くなって手続きをしたい」
——こうした機微な情報が語られる場です。
その窓口から情報が漏れたとき、失われるのは金銭だけではありません。

「この会社には安心して相談できる」という信頼そのものが失われます。
BtoCビジネスにおいて、これは事業の根幹に関わる損失です。
さらに、個人情報保護法では、一定規模以上の漏洩について個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務づけられています。加えて、個人情報データベース等の不正提供や、個人情報保護委員会からの是正命令への違反といった悪質なケースについては、法人に対する罰金の上限が1億円に引き上げられています(漏洩事故そのものに自動的に科されるものではありません)。

「記録がある」ことが、オペレーターを守ることにもなる

ここまでリスクを中心に述べてきましたが、記録の効果はそれだけではありません。

窓口業務では、お客様から「対応が違っていた」「言った・言わない」と指摘される場面が避けられません。
通話録音は多くのセンターで導入されていますが、通話だけでは「オペレーターが画面上で何を見て、どう入力したか」までは分かりません。 操作の記録が残っていれば、「このオペレーターは正しい手順で処理していた」という事実を客観的に示すことができます。

記録は、疑いをかけられたスタッフを守る証拠にもなるのです。この点を導入時にきちんと説明できるかどうかが、現場の納得感を大きく左右します。

サイテカクラウドでできること

サイテカクラウドは、PCの操作画面をスクリーンショットで記録し、テキストログと合わせて保存するクラウド型のサービスです。問い合わせ窓口の業務においては、次のような使い方ができます。

顧客管理システムの照会画面を記録する。
どの顧客の情報を、いつ、どのオペレーターが表示していたかを、画面イメージで確認できます。


特定の条件でアラートを出す。
指定したアプリケーションの起動、特定のURLへのアクセス、キーワードの入力などを条件に、管理者へメール通知を出すことができます。


共有アカウント利用時も個人を特定する。
シフト制で端末を共有する運用でも、二次認証によって「その時間に実際に操作していたのは誰か」を記録できます。
これは複数名で端末を使い回すコールセンターに適した機能です。


専用サーバーが不要。
月額2,680円/台〜(200台構成の場合)で、クラウドサーバー費用も含まれます。
席数が増減しやすいコールセンター運営において、必要な席数分だけ契約できる点は運用上の利点です。

よくある質問(FAQ)

Q. コールセンターの顧客管理システム(CRM)の画面も記録できますか?

A. はい。
サイテカクラウドは特定のシステムに依存せず、PC上で動作するあらゆるアプリケーションの操作画面をスクリーンショットで記録します。自社開発のCRMやパッケージ製品、ブラウザ上で動作するクラウド型CRMのいずれにも対応します。

Q. 通話録音システムを既に導入していますが、それでは不十分ですか?

A. 通話録音は「何を話したか」を記録しますが、「画面上で何を見て、何を操作したか」は記録されません。
応対と無関係の顧客情報を照会していた場合、通話録音には何も残りません。両者を組み合わせることで、応対の全体像を確認できるようになります。

Q. 私物スマートフォンでの画面撮影は防げますか?

A. 撮影行為そのものをPC側で防ぐことはできません。ただし、「撮影の前段階として顧客情報を大量に表示した」という操作は記録され、条件によってはアラートで検知できます。物理的な持ち込み制限と組み合わせて運用することを推奨します。

Q. 全席に導入する必要がありますか?

A. 必須ではありません。
機微な情報を扱う窓口、決済情報を扱う席、スーパーバイザー席など、リスクの高い席から段階的に導入する進め方も可能です。台数に応じた月額制のため、席数に合わせた構成をご相談いただけます。

サイテカクラウドお問い合わせ
PCの"ドライブレコーダー"で内部不正を抑止

貴社の環境に合わせた「最適な守り方」をご提案します。 お話を丁寧にお伺いしながら、お客様にフィットする構成案、価格をご案内させていただきます。

SOLPACが選ばれる理由

WhySOLPAC