ChatGPTにSAP Business Oneについて問い合わせてみよう。②

ChatGPTにSAP Business Oneについて問い合わせてみよう。②

SAP Business One2025.01.06

250106

はじめに

SAP Business Oneは、SAP社が提供する他通貨・多言語対応の中堅中小向けERPパッケージです。
このコラムでは、今話題のAIツールであるChatGPTにERPコンサルタントになってもらい、取引先の要望に沿ったSAP Business Oneの導入を提案できるか検証します。
適切な回答は得られるのでしょうか。

前回のコラム「ChatGPTにSAP Business Oneについて問い合わせてみよう。①」では「SAP Business Oneについて説明してください。」という質問し、 正しい回答が得られるのかを検証しています。
よろしければ、そちらもご覧ください。

ChatGPTはERPコンサルタントになれるのか検証

では、早速質問をしてみます。

導入における課題はリアルなものを用意したいので、弊社の過去案件から実際にあった課題を抜粋してきました。
※もし、過去案件についてご興味のある方は、こちらの導入事例(https://www.solpac.co.jp/case/service/002_SBO/)をクリックしてください。

質問内容
私:あなたはSAP Business OneのERPコンサルタントです。導入を検討している取引先には以下の課題があります。
課題① 経費精算システムや販売システムからのデータを、人の手で編集を行わないで直接取り込みたい。
課題② 様々な形式のレポートが出力できるようにしたい。
課題③ 部門ごとの損益を管理できる必要がある。
課題④ 米ドルだけでなく、その他の外貨でも運用する必要がある。また、為替レートはマスタ化されている必要がある。
それぞれの課題は、解決可能なのか。またそれは標準機能で解決可能か。プログラムコードを用いた追加開発をすれば解決可能か。
回答してください。

ChatGPTからの返答
それぞれの課題について、SAP Business Oneの標準機能で解決可能か、また追加開発が必要かを以下にご説明します。

課題①:経費精算システムや販売システムからのデータの自動取り込み

解決可能です。
SAP Business Oneには標準でデータインターフェース(B1 Integration Framework)があり、外部システムとの自動データ連携を実現できます。
APIやXML、CSVデータの取り込みにも対応しているため、経費精算システムや販売システムからのデータを直接取り込むことが可能です。
ただし、特定のシステムに応じたカスタマイズが必要な場合もあり、その際はインテグレーションフローやアドオン開発を活用して柔軟に対応できます。

課題②:様々な形式のレポート出力

解決可能です。
SAP Business Oneは標準で多数のレポート機能を備えており、さらに拡張性のある「SAP Crystal Reports」との連携も可能です。
これにより、ユーザーはExcel、PDF、Wordなど、様々な形式でレポートを出力できます。
レポートのレイアウトもカスタマイズ可能で、追加のプログラムコードなしでの解決が可能です。
高度なレポート要件には、Crystal Reportsを使用したカスタムレポートを作成するのが推奨されます。

課題③:部門ごとの損益管理

解決可能です。
SAP Business Oneには「部門(部門コード)」や「プロジェクトコード」を使用して部門ごとの損益を管理する機能が標準で備わっています。
これにより、部門別の損益レポートも生成でき、フィルタリングや分析も容易です。標準機能で対応可能であり、追加開発は不要です。

課題④:複数通貨の運用と為替レートのマスタ管理

解決可能です。
SAP Business Oneは複数通貨の管理に標準対応しており、米ドル以外の外貨でも運用が可能です。
為替レートも「通貨換算表」にマスタとして設定でき、日々の為替レートを簡単に更新できます。
自動的に最新の為替レートを反映するようにするには、特定のサービスと連携するカスタム開発が必要となる場合がありますが、基本機能でも日々の手動入力で対応可能です。

結論

課題①~④はすべて解決可能であり、基本的にSAP Business Oneの標準機能で対応できます。
ただし、課題①や課題④において外部サービスやシステムとリアルタイム連携を行う場合は、インテグレーション開発が必要になる場合がありますが、基本設計や拡張機能で対応できる範囲です。

各課題に合わせて、標準機能とアドオンの組み合わせで柔軟に対応が可能ですので、特別なカスタマイズなしでも大部分の要件を満たすことができるでしょう。

回答に対して

順を追ってみていきましょう。

課題①について
大的外れな回答ではありませんが、「SAP Business OneでAPIやXML、CSVデータを使ってデータ連携をする」となれば、必ずアドオン開発が必要になります。
また、「インテグレーションフロー」という言葉が出てきました。こちらはSAP社の別の商材、S4の説明です。
これにより、その他の文章もS4と混同しているが、たまたま当てはまっているという可能性が浮かび上がってきました。

課題②について
こちらは正しいです。SAP Business Oneの強みの1つにレポートの種類の多さがあります。標準レポートで対応できないものはCrystalReportで対応が可能です。

課題③について
こちらは、一部訂正が必要です。損益を部門ごとに管理することは可能ですが、この損益を損益計算書をとして表示する場合は、追加開発が必要です。

課題④について
こちらについては「通貨換算表」という名前のものがSAP Business Oneにはそもそも存在しないので間違っています。
ただし、SAP Business Oneには、日次、週次、月次で為替レートを登録できる「為替レートおよびインデックス」表が存在し、 そこで、同様の操作が可能です。

総評として、間違っている単語や説明がいくつか見られたものの、 想像以上にSAP Business Oneを詳しく理解し、質問に回答していて驚きました。
より細かく前提知識や、情報を与えながら質問すれば、もっと良い回答が得られるかもしれません。
とは言え、AIツールにERPコンサルタントとして働いてもらうのは、まだ先の話になりそうですね。

まとめ

今回のコラムではChatGPTに「SAP Business One」について質問し、正しい回答が得られるのかを検証しました。

ChatGPTは、初期調査や一般的な情報提供においては非常に有効ですが、ERPコンサルタントのような専門的な知識と経験に基づいた比較検討はAIには難しいと考えられます。
ERPパッケージの導入を検討なさっている方は気兼ねなくソルパックまで、ご連絡ください。
ソルパックはお客様に寄り添って、ご相談をお受けいたします。

もし、このコラムが好評であれば、次回は「SAP Business One向け開発コード」や「SAP Business One導入にあたっての課題解決」なら正しく回答できるのか検証してみたいと思います。

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