基幹システムの導入では企業側にどんな作業が発生する?必要な対応と役割

基幹システムの導入では企業側にどんな作業が発生する?必要な対応と役割

SAP Business One2026.11.02

基幹システム導入時に企業側で必要となるデータ確認、帳票確認、受け入れテスト、利用者の操作習熟を表したビジュアル

基幹システムの導入では、設定や開発、データ移行をシステム会社が担当します。
ただし、導入プロジェクトをシステム会社だけで完結させることはできません。

移行したデータが正しいか、完成した帳票を実務で使えるか、新しいシステムで日常業務を行えるかについては、実際の業務を知る企業側の確認が必要です。

そのため、導入が始まると企業側にも一定の作業と時間が発生します。
どの工程で誰が参加するのかを把握しておくことが、通常業務と導入プロジェクトを両立するうえでも重要です。

導入プロジェクトでは企業側にも作業が発生する

要件定義で方針が決まると、システム会社はその内容をもとに設定、追加開発、データ移行などを進めます。

企業側は完成を待っているだけではなく、設定や移行に必要な情報を提供し、出来上がった内容が実際の業務で利用できるものになっているかを確認します。

主な作業は次のとおりです。

  • システム会社からの確認事項への回答
  • 移行に必要なデータの提供
  • 移行されたデータの確認
  • 帳票やレポートの確認
  • 受け入れテストへの参加
  • 利用者の操作習熟

内容によっては、情報システム部門やプロジェクト担当者だけでは判断できません。
販売、購買、在庫、会計など、実際の業務を担当する人にも参加してもらう必要があります。


基幹システム導入時に企業側が行う情報提供、移行データや帳票の確認、受け入れテストと操作習熟の関係を整理した図

移行データや帳票を実務の視点で確認する

データ移行では、企業側で決定した移行対象をもとに、取引先や商品などの情報を新しいシステムへ取り込みます。

システム会社が移行先の形式へ加工して取り込んだあと、企業側では次のような点を確認します。

  • 必要なデータが含まれているか
  • コードや名称が想定どおりか
  • 項目が正しい場所へ入っているか
  • 件数に大きな差がないか

ここで改めて正本マスタやコード体系を決めるのではありません。
企業側ですでに決めた移行方針が、実際のデータへ正しく反映されているかを見る工程です。

納品書や請求書、分析レポートなども同様です。
仕様どおりに作られていても、実務でそのまま使用できるとは限りません。


移行後のデータについて、対象データ、コード・名称、項目位置、件数を企業側が確認する4項目のチェックリスト


これまでの導入現場でも、似た名称の帳票であっても、利用者によって確認している条件が異なるケースがありました。
金額や集計条件、必要な項目などを日常的に利用する担当者が確認することで、本番前に認識の違いを見つけやすくなります。

受け入れテストで実務確認と操作習熟を行う

設定や開発が進んだ後は、企業側で受け入れテストを行います。

ここで確認するのは、画面や機能が単体で動くかどうかだけではありません。
実際の業務の流れに沿って操作し、本番でも問題なく業務を続けられるかを確認します。

  • 受注から売上まで処理できるか
  • 購買や在庫の情報が正しく連携するか
  • 会計までデータがつながるか
  • 必要な帳票を出力できるか
  • 担当者に必要な権限が設定されているか

また、正常な処理だけでなく、入力を間違えた場合の修正方法も確認します。
本番稼働後には、「伝票を間違えて入力したが、どのように戻せばよいのか」といった問い合わせが発生することもあるためです。

受け入れテストは、本番でシステムを使う担当者が操作に慣れる機会にもなります。
販売担当者なら受注や売上、購買担当者なら発注や仕入など、自分の業務を実際に操作することで、本番後の仕事をイメージしやすくなります。

これまでの導入経験でも、受け入れテストはシステムの合否を確認するだけでなく、利用者の習熟期間として重要な工程になっています。


受け入れテストで販売、購買・在庫、会計連携、帳票出力、利用者権限を実務の流れに沿って確認する一覧

本番稼働後にも確認や改善が発生する

受け入れテストまで終えていても、実際のデータで日々の業務を始めると、新たに気付くことがあります。
これまでの導入プロジェクトでは、本番稼働後に「この項目とこの項目の組み合わせは業務では発生しないため、入力できないようにしたい」という相談が出たケースがありました。
操作についても、通常の入力方法だけでなく、入力を間違えたときの戻し方など、実務を始めて初めて必要性を感じる内容があります。

案件によって状況は異なりますが、導入経験上、本番稼働後の最初の2〜3か月に問い合わせが多くなるケースもあります。

本番稼働をすべての対応が終わる日と考えず、利用者が新しいシステムや業務へ慣れていく期間まで想定しておくことが大切です。


本番稼働後に実データで業務を始め、操作上の疑問や改善点を確認しながら運用定着へ進む流れを示した図

まとめ

基幹システムの導入では、システム会社が設定や開発を担当する一方、企業側にもデータや帳票の確認、受け入れテスト、利用者の操作習熟といった作業が発生します。

特に、移行されたデータが実務上正しいか、新しいシステムで日常業務を行えるかは、企業側でなければ判断できません。
プロジェクト担当者だけではなく、必要な工程で実際の利用者が参加できる体制を作ることが重要です。

また、本番稼働後に初めて分かる操作上の疑問や改善点もあります。
稼働後の問い合わせや運用定着まで含めて、企業側の作業を想定しておく必要があります。


SOLPACは、企業側で決定した内容をもとに、SAP Business Oneの設定、追加開発、データ移行を支援します。受け入れテスト時の操作説明やトレーニング、本番稼働後の保守サポートまで、導入工程に応じたサービスをご提案します。

SAP Business One導入時に企業側でどのような作業や体制が必要になるか確認したい場合など、SOLPACへご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 基幹システムの導入が始まると企業側にはどのような作業が発生しますか

A. 移行データや帳票の確認、システム会社からの確認事項への回答、受け入れテストへの参加、利用者の操作習熟などが発生します。

Q2. 受け入れテストはプロジェクト担当者だけで行えばよいですか

A. 実際の業務で利用できるかを確認するため、販売、購買、在庫、会計など、実際にシステムを利用する担当者にも参加してもらうことが重要です。

Q3. 本番稼働後にもシステムの改善が必要になることはありますか

A. あります。実際のデータを使い始めてから、追加の入力チェックや運用上の改善が必要だと分かる場合があります。本番稼働後の問い合わせや改善も想定しておくことが重要です。

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