GoAnywhereの導入で
連携のための作業を内製化する
「ノンプログラミング、かつシンプルな操作で連携のための定義を作成できる点を評価しました。GoAnywhereであれば、基幹システムを含めた多様なシステム間を連携でき、かつその作業を内製化できます。それに加えて、基幹システムを含めて保守やサポートをソルパックへ一元化できる点も採用の理由になりました。委託先の外部ベンダーを集約したほうが、管理上の観点から好ましいと考えたわけです」(志水氏)
GoAnywhereの採用を決定したのは2019年。中間サーバー上では、顧客・受注、在庫、電子値札、ポイントの各連携にそれぞれ2~3本のプログラムが動いていた。
まずそのプログラム分析をソルパックに依頼し、連携のための定義作業を両社の間で進めていった。2~3カ月の準備作業を経て、2020年10月からGoAnywhereによる連携がスタートした。
GoAnywhere導入後のシステム概要
ただセキュリティ上の問題に対応するため、連携開始後すぐにECサイトを移行することが決定したため、いったんこの連携は停止することになった。
ECサイトを現在の「shopify」へリプレースし、基幹システムとの連携要件を見直して、2021年2月のECサイトの再オープンとともに、GoAnywhereによる連携が再スタートした。
現在は以前にも増して、多くのユーザー部門から変更依頼が寄せられ、基幹システムにも細かい手を加える頻度が増えている。これをECサイトへ反映するためのGoAnywhereでの変更作業も、今では営業サポート部の村田広佑リーダーなど2名で担当。データ連携が内製化できたことで、業務改善のスピードは格段に上がったという。
「業務改善は試行錯誤の連続です。新しい仕組みがうまくいかないこともあるし、ブラッシュアップも欠かせません。一方で、少人数だからこそ柔軟に運用変更もできます。各部署での取り組みや工夫をシステム側で叶えることで、現場の改善意識に弾みが付く好循環も生まれます。これは中小企業ならではの強みだと思います」(志水氏)
さらに、既存のデータ連携に留まらないGoAnywhereの使い方も模索している。
「4年前からRPA(WinActor)を導入しており、現在では5台の実行機で100本以上のシナリオが動いています。ただし最近は、ロボットが実行している作業の一部をGoAnywhereへ移行する動きも始めています」(志水氏)
基幹システムの情報を取り出して加工したり、メールでのやり取りを基幹システムに取り込んだりする動きは、GoAnywhereを使うことで、より安定して動かすことが出来るという。
「特にクラウドサービスを利用する場合、ロボットだとログインに時間がかかったり、画面が切り替わらないためにシナリオが停止してしまうことがあります。しかしGoAnywhereであれば、そうしたRPA特有の弱点をカバーして、スムーズに連携できます。ロボットもGoAnywhereも内製できるので、より効果的な使い方を試しています」(村田氏)
またECサイトを強みとする同社では、2022年度も、サイト内検索エンジンの機能向上や、中古品の買取におけるWeb上での本人認証システムの構築など、ECの強化は続く。ここでも、GoAnywhereを使ったデータ連携が活躍しそうだ。
「日々のメンテナンスを可能な限り軽減しつつ、きめ細かく配慮したECサイトをどう運営するかが、当面の最大の課題です。ECサイトを強化するには、多種多様な外部システムと連携していくことが不可欠であり、最も効率的なアプローチであると考えています。GoAnywhereを使用すれば、そうした外部システムとの連携の敷居を下げられるので、今後はさらに利用場面が増えることになりそうです」(村田氏)